「ちご」と「わらは」の生活史
日本の中古の子どもたち

はしがき
序章 子どもの呼称 一 「こ」と「こども」 二 幼児に対する呼称−「みどりこ」と「ちご」 三 「わらは」と子どもの髪型−「わらは」の成立事情と意味
T部 子どもの発達と発達観 一章 誕生前後の生育儀礼と子どもの発達 一 着帯の儀前後−困難な出産と胎児への認識 二 産養から魚味始まで−生育困難な子どもへの思いと願い 二章 三歳前後の生育儀礼と子どもの発達 一 着袴と着衣始−無事な生育への願いと躾けの開始 二 産剃と髪垂−髪型の変化で表される意味と願い 1 産剃と髪垂 2 髪を削ぐことの意味−削り掛け玩具と禊ぎをもとに 三 「あまがつ」から「こけし」まで−三歳までの子どもを守る信仰人形 1 「あまがつ」の歴史的変遷 (1)中古 (2)中世 (3)近世 2 「あまがつ」から「こけし」へ−郷土玩具の中に残された中古の親の願い (1)「あまがつ」と「こけし」をつなぐもの−仙台おほこと赤けし (2)「あまがつ」の系譜に連なる「こけし」 三章 七歳前後の生育儀礼と子どもの発達 一 読書始−大人への準備の開始 二 戴餅と七歳まで−子ども時代における七歳までの特殊性 三 三歳・七歳と「ちご」・「わらは」
U部 「ちご」時代と生活 一章 大人と「ちご」の関わり 一 「ちご」と親と乳母 二 「ちご」の生活と教育 1 「ちご」の教育−躾けと絵物語など 2 「ちご」の生活−遊び・玩具と童謡と衣食住 (1)遊びと玩具 (2)童謡 (3)「ちご」の衣食住 二章 かなしき者と捨てられる者−中古の「ちご」観 一 かなしき者−愛情を注がれる子ども 二 捨てられる者−子捨て子殺しと中古の児童福祉事情 三 「神のうち」という考え方
V部 「わらは」時代と生活 一章 成年礼後への準備 一 必要とされた教養とその獲得 1 男子の場合 2 女子の場合 二 「わらは」の教育−家庭内における生活の中での教育 1 教育観 2 生活の中での教育 3 教育をとおしての「わらは」と親の関わり 二章 「わらは」の生活 一 童殿上など 二 「わらは」の遊び 1 遊びの概観 2 「わらは」の遊びと生活 (1)「わらは」遊びの起源と特質−大人の模倣と物見 (2)生活の中の遊び 三 「わらは」の装束 1 装束の概要 2 「わらは」装束の寸法と服色 三章 中古の「わらは」観 一 「わらは」を取り巻く政治的背景と理想的背景 1 社会的・政治的背景 2 思想的背景 二 「わらは」と「かね」という語に現れた「わらは」観
図版出典・所蔵一覧 あとがき 索引
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