グローバル・セキュリティ入門

第1部 グローバル・セキュリティ入門のためのガイダンス
第一章 「新しい危機」の登場 薬師寺 泰蔵
グローバル・セキュリティとは何か/新しいリスク社会の到来/現代的リスク問題の特徴/構造的危機問題の例――キューバ危機/非構造的な危機の特徴/非構造的危機としての環境問題/異なるレベルの社会/「システム」としての社会/「フラクタル社会」の考え/リスク・パワーとカウンター・パワー/新しいリスク研究プロジェクトの必要性
第二章 G-SECマインド 薬師寺 泰蔵
G-SECマインドとは何か/ケテリス・パリブスの誤謬/動いているものを表現する――データの動的な可視化/既存科学の「翻訳」への挑戦/「翻訳」――新しいメガネを使うことで、見えなかったものが見えるようになる/「構造」ではなく、パターンを探す/政策科学の「第三ステージ」に向けて/非構造的危機解決のための人材養成の必要性/「専攻モジュール」と「政策エディティング」/G-SECセンターの必要性
第2部 G-SEC探訪
第三章 グローバル・イシューとしての感染症 竹内 勤
一 デンバーサミット 二 先進国と開発途上国の比較 マラリア/WHOの挑戦/マラリア流行のきっかけ 三 日本の経験 日本の経験の意味 四 日本の取組み 自立した人材の育成 五 今後の展開
第四章 空間情報と危機管理政策 福井 弘道
一 ジオ・インフォマティックスと空間情報社会 地域情報力/ジオ・インフォマティックス・プログラム/ジオ・イン フォマティックスで見る世界/総合政策科学としてのリスク研究の枠組み
二 「九・一一」以降の危機管理 「九・一一」の際の対応/ホームランド・セキュリティ/カリフォル ニア州の事例/マルチハザード・マッピング・イニシアチブ/Ge oNODE/オープンGISコンソーシアム 三 リスク対応型社会 リスク・コミュニケーション/リスク・コミュニケーションへの取組み /総合リスク情報マネジメント・システムの構築/岐阜県ふるさと地理 情報センター/日本の空間情報管理――統合型GIS/人材養成/デジ タル・アース
第五章 地方自治体と民主主義の変容 小林 良彰
一 何が危機なのか 長期的な危機/民主主義の危機 二 なぜ地域を見るのか 先行指標としての自治体/地域で何が起きているのか 三 時代の変化 市民の参加/地方分権一括法 四 ニュー・パブリック・マネージメント 行政の「顧客満足」/エンパワーメント/新しい政治文化 /自治体とNP 五 調査と分析 調査の概要/調査の結果/分析の枠組み/市長のNPMに対する認知態 度と社会・経済環境/NPM型政策の採用とエンパワーメント 六 結論と提言 市民へのエンパワーメントとしての住民投票/意識の改革
第六章 出稼ぎ労働と所得リスク 赤林 英夫 一 はじめに 出稼ぎ労働とは/出稼ぎをめぐる疑問/農村社会のリスク 二 グローバル化と人的資源のセーフティネット グローバル化がもたらすもの/家族の経済理論 三 家計の抱えるリスクと出稼ぎの意味 所得リスク、健康リスク、社会リスク/家計のリスク対応/出稼ぎ労働 の意味 四 南アフリカ共和国における移動労働 アパルトヘイト/「内なるグローバル化」としてのアパルトヘイト廃止 五 利用データと推計方法 コンディショナル・ロジット・モデル/民主化と人口移動 六 出稼ぎ労働の実証分析 出稼ぎの発生頻度/出稼ぎの動機 七 出稼ぎはリスク回避行動か 分析結果の解釈/地域の雇用創出 八 今後の課題 出稼ぎ労働者の属性/労働移動による技術移転/今後の課題
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