スターリン時代の記憶
ソ連解体後ロシアの歴史認識論争
はじめに
第1章 体制転換と自国史像 1 ロシアとスターリン時代の記憶 2 スターリン期の歴史の再検討 3 ロシアとソ連時代の過去への取り組み 4 移行期正義論と真実の回復 5 民主化と歴史学 6 移行期の社会と歴史教育
第2章 ペレストロイカと自国史像 1 情報公開とスターリン期の再検討 2 「メモリアル」の活動 3 独ソ戦の再評価 4 歴史教育の改革 5 失望と動揺の広まり
第3章 ソ連の解体とロシア連邦の出発 1 ソ連解体後のロシアとソ連史の再検討 2 抑圧の調査と歴史教育の改革
第4章 ロシアのアイデンティティとは何か ――歴史教育の改革と自国史をめぐる論争 1 新たなロシアの理念の模索 2 教育要綱の作成 3 1990年代の自国史教科書 4 クレーデルの世界史教科書
第5章 プーチン政権と歴史教科書 1 歴史教育の基準の模索 2 第二次世界大戦の歴史をめぐる国際組織の動向
第6章 「大統領委員会」創設への反発 1 刑法改正案の作成と「大統領委員会」 2 欧州安全保障協力機構(OSCE)議員会議の決定 3 「大統領委員会」の活動
第7章 犠牲者の記憶と向き合う ――国家プログラムの作成とロシア歴史協会の創設 1 全体主義体制の犠牲者の記憶の永続化 2 ロシア歴史協会の活動 3 第二次世界大戦をめぐる議論と刑法改正 4 2013年度の推薦教科書
第8章 抑圧をいかに記憶すべきか ――犠牲者の記憶の永続化政策と自国史教育 1 「祖国史の新たな教科書・方法論参考書の構想」 2 「ドロファ」社、「教育」社の教科書 3 政治的抑圧の犠牲者の記憶の永続化
終 章 和解のために 1 ロシアと自国史の再検討 2 歴史教育の社会的役割 3 社会の「和解」と歴史教育
あとがき 註 索引
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