選挙干渉と立憲政治

序章 一 はじめに 二 研究状況 三 視角と構成
第一章 富山県第四区 一 富山県第四区における選挙干渉事件 (1) 富山県の政治的状況 (2) 候補者の選考 (3) 選挙干渉事件 (4) 千々岩選挙長による投票無効決定事件 二 選挙委員による不当決定取消訴訟 (1) 第一審 (2) 上告審 三 選挙人による投票無効決定取消訴訟 (1) 公判 (2) 判決 四 島田孝之対武部其文当選訴訟 (1) 提訴 (2) 中間判決 (3) 本案審理と判決 小括
第二章 高知県第二区・選挙干渉事件 一 事件の発端 (1) 自由派と国民派の対立 (2) 両派の候補者擁立 二 事件の推移 (1) 選挙活動の開始と治安維持 (2) 保安条例の施行 三 開票結果 小括
第三章 高知県第二区・当選訴訟 一 提訴までの経緯 (1) 訴訟準備 (2) 選挙人による選挙権回復訴訟 (3) 選挙長に対する刑事告発 二 当選訴訟 (1) 提訴と証拠保全申請 (2) 大阪控訴院(第一審) (3) 大審院(上告審) (4) 名古屋控訴院(差戻し審) (5) 大審院(最終審) 小括
第四章 佐賀県と大木喬任 一 佐賀県の政治的状況 二 大木喬任の選挙干渉 (1) 目的と方針 (2) 買収と資金 (3) 具体策 三 佐賀県の選挙干渉と治安維持 (1) 民党側の動き (2) 官民の衝突 (3) 憲兵・歩兵派遣の経緯 (4) 再投票と保安条例施行 四 佐賀県の選挙結果 小括
第五章 東京府 一 政治家・官僚の動き 二 警察の動き 小括
第六章 選挙結果と議会運営 一 選挙結果 二 多数派工作 (1) 自由党をめぐる動き (2) 独立倶楽部をめぐる動き 三 第三議会 (1) 議員の採決賛否パターン (2) 政府の弁明 (3) 第三議会の帰結 小括
第七章 言論規制 一 言論をめぐる法制度とその運用 二 集会及政社法による言論規制 (1) 集会・結社をめぐる状況 (2) 法運用の変遷 (3) 板垣遊説にみる演説規制 三 新聞紙条例による言論規制 (1) 新聞・雑誌をめぐる状況 (2) 明治二十五年の新聞・雑誌発行停止状況 (3) 選挙干渉に関わる発行停止記事 小括
第八章 天皇・政府・内務省 一 明治天皇と第二回総選挙 (1) 藩閥内対立の構図 (2) 明治天皇の立場 (3) 選挙後の天皇 二 選挙対策案 (1) 金子堅太郎案 (2) 佐藤暢案 三 政府の指示 (1) 解散前の訓令 (2) 解散上奏文 (3) 解散後の訓令 (4) 松方・品川内諭 (5) 府県知事の対応 四 政府・内務省の具体策 (1) 告訴、告発、拘束 (2) 大隈資金問題 (3) 選挙資金 (4) 内務省の動き 五 外国人顧問の選挙干渉論 (1) モスターフ (2) リョースレル(ロエスラー) (3) パテルノストロ (4) ボアソナード
終章
参考文献 初出一覧 あとがき
索引
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