ライプニッツの創世記
自発と依存の形而上学

序章 真理は中間的である――世界創造の謎 一 無人島の少年は自分の力で生きているか――まえがきにかえて 二 「自発性」と「依存性」の問題 三 さまざまな解釈とそれらの問題点 四 外交官ライプニッツと中間者ライプニッツ 五 「中間のモットー」に従う
第一章 介入せずに介入する神――創造における神の働き 一 ライプニッツの神 二 「介入」をめぐるクラークとの論争 三 神の働きの連続性 四 妨げを取り除く神 五 神の協働
第二章 創世する被造物――被造物の「自発性」の根拠「Divinité」 一 「Divinité」の概念 二 神の世界創造と被造物 三 『モナドロジー』第四七節のDivinité 四 Divinitéが用いられる一定の条件 五 Divinitéとは何か 六 両立する被造性と実体性
第三章 来って現れる本質――創造における神と被造物の関係性 一 創世しつづける被造物 二 被造物の自発性@――現実世界において 三 被造物の自発性A――可能的世界から現実世界へ 四 「完全性」における自発性と依存性の相即 五 「二重依存」の構造 六 「完全性」の起源
第四章 賢者は常に最善を選ぶ――自由の形式 一 「実践を伴う理論」のモットー 二 自由をめぐる問題 三 絶対的必然性 四 均衡的無差別の自由 五 最善選択の自由 六 道徳的必然性
第五章 星々は傾かせる――自由の内実 一 道徳的必然性再考 二 傾かせるが強いない 三 「傾かせるが強いない」の内実@――神の場合 四 「傾かせるが強いない」の内実A――人間の場合 五 人間の自由 六 人間の義務
第六章 神に栄光あれ――神における根源的意志 一 何にとっての「最善」? 二 ライプニッツの暗黙の前提 三 被造物の区別 四 三種類の善悪 五 自然界における善優位の根拠 六 神の根源的意志 七 神の栄光
結語 はじまりのDivinité――ライプニッツ形而上学の意義
あとがき 参考文献 索引
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