環境法の考えかたT― 「人」という視点から

はしがき
序 章 環境法の考えかた T 環境問題のとらえかた U 環境問題と法の対応 V ある個人にとっての法という新たな視点から
第1章 ユニバーサルデザインの環境法 I ユニバーサルデザインの法 1 ユニバーサルデザイン 2 ユニバーサルデザインの条約と法律 3 アクセシビリティの条約と法律 U ユニバーサルデザインの環境法 1 緊急時における環境情報の提供 2 環境白書・環境影響評価書類 3 環境教育・広報活動・NGO
第2章 そううつ・うつと環境法の問題 T そううつ・うつ 1 そううつ・うつの症状 2 うつになりやすい世代 3 うつ病の治療目標 4 そううつ・うつの治療法 U そううつ・うつの人の感じかた 1 美しいながめ 2 聞こえてくる音 3 においの感じかた V そううつ・うつの人のための法の関わりかた 1 どのような状況が問題なのか 2 裁判所はどのように考えているのか 3 どのような立法がされているか W 環境法は何ができるのか 1 そううつ・うつの人たちのおかれている環境 2 環境法はそううつ・うつの人たちに何ができるのか
第3章 認知症の人に向ける環境法の目 T 認知症の人クリスティーン 1 認知症の人の発信 2 高い精神活動 U 認知症の人に向ける政府の目線 1 従来の目線 2 新しい目線 3 政府が説明する認知症の症状 V ある特定の認知症の人と向き合う環境法 1 佐藤雅彦のメッセージ 2 音に対する敏感さ 3 認知症の人の環境権
第4章 ハンセン病と環境法 T ハンセン病 1 ハンセン病とは何か 2 熊本地裁判決が認定した被害 3 熊本地裁判決とその後 4 ハンセン病問題の解決の促進に関する法律 U ハンセン病であった人々をとりまくもの 1 物理的制限 2 園内の趣味 3 「元患者」という差別 V 犠牲となった人たちと私たち 1 私たちの社会 2 医学・医療界 3 マスコミと学会 4 司法 W より根源的なこと 1 断種・堕胎の強制のため家族がいない 2 知覚麻痺で失明することがある 3 人権の森 X 環境法のありかた
第5章 基本法を創るもの 基本法が創るもの I 公害対策基本法 1 公害対策基本法制定に至る経緯 2 公害対策基本法の立法作業 3 経済調和条項 U 公害対策基本法の改正 1 公害対策基本法の改正作業 2 公害対策基本法の改正 3 経済調和条項削除が及ぼすもの V 環境基本法 1 環境基本法制定に至る経緯 2 環境基本法の目的と理念 3 環境基本法が創るもの
第6章 生活環境から環境一般へ I 生活環境に関する法の規定 1 公害の定義のなかの生活環境 2 生活環境の外延 3 人の生活と密接性 U 生活環境の範囲の拡大 1 動植物の生息と生育を保護するための化学物質規制立法 2 水生生物を保全するための環境基準・規制基準 3 都市景観を生活環境として法律上保護に値すると解した裁判例 V 生活環境から環境一般へ 1 生活環境における保護対象を広げようとする学説 2 一般にされている環境の定義 3 環境の定義の構成要素 4 環境の定義の試み
第7章 環境の保全 ―― 基本理念における環境と経済 I 環境の保全についての基本理念 1 基本理念に至る経緯 2 基本理念と14条の施策策定の指針 3 下位の基本法の基本原則 4 実施法の位置づけ U 基本理念(1)における環境の類型 1 環境基本法3条の構造 2 恵み豊かな環境 ―― 基本理念(1)における環境の第1類型 3 人類の存続の基盤としての環境 ―― 基本理念(1)における環境の第2類型 4 復元力を失わないこと V 基本理念(2)における環境と経済の関係の展開 1 環境基本法4条の構造 2 環境と経済の「統合」 3 経済発展と経済成長 4 環境の2類型からの考察
第8章 アマミノクロウサギ訴訟 ―― 開発者と反対者との対話 I アマミノクロウサギ訴訟に対する基礎的視点 1 事案の概要 2 奄美の小史 3 日本経済の状況 4 動物を原告として表示する訴状 U 環境NGO・住民などの原告適格 1 原告・控訴人らの主張 2 鹿児島地裁の判断(平成13年1月22日) 3 福岡高裁宮崎支部の判断(平成14年3月19日) 4 私の見解 V 自然との対話 1 原告・控訴人らのいう自然との対話 2 対話の現実 3 私の見解
第9章 農業と環境を考える視点 T 農業が環境に与える影響 1 農薬と肥料の使用 2 遺伝子組換え生物の使用 U 環境が農業に与える影響 1 農業就労者への影響 2 土壌への影響 V 農業と環境を考える4つの視点 1 自然の復元力の限界 2 生物の多様性 3 ゼロにできないリスクの和を最小にするという考えかた 4 農業のもつ正の外部性
あとがき 索 引 初出一覧
|