世界史のなかの近世
序章 「近世」と「アーリー・モダン」 青木 敦 一 用語法的な課題 二 概念の誕生 三 新たな世界史的近世論 四 平行性の問題 五 各章の意義
第一章 イギリス近代における中世観の変容 武内信一 ――アーサー王伝説受容史を手掛かりとして―― はじめに 一 チョーサー受容史 二 アーサー王伝説受容史 三 一七、一八世紀と国教会問題 四 一六、一七世紀とナショナル・アイデンティティー 五 ブリテン起源 vs. サクソン起源 六 スペンサーからミルトンへ 七 イデオロギーとしてのアーサー王伝説から中世文学としてのアーサー王伝説 むすび
第二章 シェイクスピア劇にみる「近世」 狩野良規 はじめに 一 近世ないしは絶対王政の始まり 二 絶対王政と常備軍 三 王位継承権と君主制国家 四 宗教 五 ルネサンス 六 アイルランドとスコットランド おわりに――世界史のなかのシェイクスピア――
第三章 西欧における中世から近世への移行 渡辺節夫 ――フランス中世後期の貴族層の動向を中心に―― はじめに 一 中世後期の領主制の危機と地主制の先駆 二 ブルゴーニュにおける中小貴族層の社会経済的実態 三 騎士と貴族身分 四 王権と貴族層――対立と強調―― 五 王権による公権力の蚕食と貴族層 おわりに
第四章 熊谷・敦盛説話の近世的変容 佐伯真一 ――父子関係を中心に―― はじめに 一 『平家物語』の熊谷と敦盛 二 中世後期の熊谷と敦盛 三 近世の熊谷と敦盛 四 子殺しの物語の位置――「満仲」を中心に―― おわりに
第五章 馬琴の古典再解釈 大屋多詠子 ――『椿説弓張月』と昔話・神話――― はじめに 一 馬琴の古典取材と考証 二 「童話」の考証と古典 三 「桃太郎」の考証と『椿説弓張月』 四 日本武尊と為朝 おわりに
第六章 近世村社会における文化の大衆化について 岩田みゆき ――西伊豆戸田湊に来る旅芸人を事例として―― はじめに 一 近世戸田村の地域的特徴 二 戸田村を訪れる芸人たちとその特徴――勝呂家の日記から―― 三 戸田村で上演される浄瑠璃の演題について おわりにかえて
第七章 フランス人の見た文楽 秋山伸子 はじめに 一 異邦人と文楽の出会い 二 フランソワ・ビゼ『文楽の日本』の独創性 三 響き合う魂――フランスと日本の誌心の出会い―― おわりに
編者あとがき 編者・執筆者紹介
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