いのちに国境はない
多文化「共創」の実践者たち

序 章 いのちを守りたい! / 川村 千鶴子
第T部 越境のすすめ 第1章 グローバル市民として生きる / チョウ チョウ ソー はじめに 1 本屋さんが憩いの場 2 建築現場で働く 3 レストランの起業 4 ジャーナリストとして 5 教育に目を向ける おわりに
第2章 僕がパリの外国人だったころ / 増田 隆一 はじめに ―― 異国で暮らす 1 パリの日本人コミュニティ 2 フランスの公共サービス おわりに
第3章 「多文化共創」は、辺境にこそあり! ―― 北の島サハリンで考えたこと / 下川 進 はじめに ―― 辺境に行ってみよう! 1 すぐそこにある不思議な島、サハリン 2 注目! コリア系サハリン人 3 領土問題の最前線ではあるけれど…… 4 ここはかつて戦場だった おわりに ―― 厳しい現実を超えて
第4章 映画から学ぶ移民とダイバーシティ ―― 映像メディアのパワーと役割 / ダニエーレ・レスタ はじめに ―― 映画はなぜパワフルなのか 1 映像メディアの社会的役割 2 映画に見る移民とダイバーシティ 3 移民映画で地域交流!? おわりに
第U部 主体性と多様性の学びが未来を拓く 第5章 外国にルーツをもつ子どもたちへの日本語教育 ―― JSL教師の育成と支援を!/ 関口 明子 はじめに 1 日本の難民受け入れ 2 難民への日本語教育 3 外国にルーツをもつ子どもたちへの日本語支援 4 JSL教師の育成と支援を! おわりに
第6章 夜間中学でいつでも誰でもどこでも基礎教育を! ―― 義務教育機会確保法成立までの道程 / 関本 保孝 はじめに 1 学習権が基本的人権を守る 2 多様化する夜間中学生 3 夜間中学での取り組み 4 すべての人に義務教育を! 5 政府が動き始めた 6 基礎教育保障学会の設立 おわりに――義務教育機会確保法が成立
第7章 地域に根ざした大学のグローバル教育 ―― 秋田からの挑戦 / 椙本 歩美 はじめに――農山村の多文化空間 1 国際教養大学の多文化共生キャンパスライフ 2 地域に根ざしたグローバル教育を創る おわりに――秋田が世界とつながるとき
第8章 庇護申請中の子どもたちと学び合う ―― 多様性を認め合う学校 / 土田 千愛 はじめに 1 庇護申請者とは 2 庇護申請中の子どもたちの生活実態 3 多様性を尊重する企画づくり おわりに
第V部 まちも会社も活性化する「多文化共創」思考 第9章 多文化対応で住まい探しのお手伝い ―― 不動産屋が担う、まちのグローバル化 / 荻野 政男 はじめに 1 海外渡航が仕事のきっかけに 2 住まいの情報を集めて回る 3 外国人向け賃貸事業を始める 4 グローバル化は不動産会社から 5 多文化スタッフによる「外国人サポートセンター」 おわりに
第10章 多様性を生かせば経営が変わる ―― 多文化共創という理念と実際 / 市橋 和彦 はじめに 1 多文化共創マーケティングが役立つ 2 マーケティングの原点は相手の心を理解して好きになってもらうこと 3 試作品の完成度が重要なポイントになる 4 「利他ファースト」に徹したマーケティングを実施 5 「あったらぜひ欲しい」を発見する 6 20歳までに多文化と接する おわりに――多文化共創マーケティングのまとめと提言
第11章 在日ブラジル人児童の心の支援 ―― 外国につながる子どもたちの「育てられる権利」を守る / 柴崎 敏男 はじめに ―― 子どもたちは今 1 子どもの育てられる権利 2 正常な生育とは? 3 在日ブラジル人支援とそこから見えてきたもの 4 外国人児童生徒の障害発現率問題 5 外国人児童のなかの発達障害の割合は本当に高いのか 6 特別支援学級 7 これからの子どもの支援 ―― 栴檀は双葉より芳し おわりに
第W部 いのちに国境はない 第12章 多文化スタッフが担うチーム医療 ―― まちの多文化クリニックの試み / 冨田 茂 はじめに――クリニックの成り立ち 1 言葉の問題 2 医療費と制度 ―― 外国人は医療費の支払いが困難なのか? 3 生活の変化と医療 4 病気の予防について ―― 健康診断 5 障害の予防について ―― リハビリテーション おわりに
第13章 医療現場の多言語化を担う ―― 医療通訳という仕事 / マ テン テン ウ はじめに 1 日本へ 2 医療通訳者になる 3 医療通訳者の仕事 おわりに――クリニックのスタッフとともに
第14章 人のいのちに国境はない ―― 日本で作業療法士・医療通訳者として働きながら / 塩田 渡留侍 はじめに 1 医療と福祉を学びたい! 2 プロになる! 3 心と心、個性と個性で接する 4 医療現場の多文化化 おわりに
第15章 国際医療の現場と医療リテラシー ―― 地域で活躍するリーダーの育成 / 堀 成美 はじめに 1 「国際」病院に「国際」診療部ができた背景 2 国際診療部と医療コーディネーター 3 コミュニケーションに不可欠な医療通訳の手配 4 医療通訳は誰のため? 5 外国人患者が増えると未収金が増えるという誤解 6 多様な文化についての学びと実践 7 地域に伝えていくこと 8 1点20円の重み おわりに
終 章 世界の混迷と危機を多文化共創のチャンスへ / 川村 千鶴子 はじめに 1 路地裏は多文化の宝庫 2 10代のみなさんへ 3 いのちの大切さを教えてくれた、あらゆる民族の助産訓練 4 強制移動と平和のためのミュージアム 5 老年期を迎えるとき おわりに ―― 多文化共創博物館
多文化共創の実践者から政府・自治体への7つの提言
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