メディアの公共性
転換期における公共放送

はじめに 編者一同
第T部 メディアの公共性を問い直す 第1章 公共放送とは何か 山腰修三 1 放送の公共性とその制度化 / 2 公共放送の社会的機能 / 3 岐路に立つ公共放 送 / 4 メディアの公共性の可能性
第2章 「公共サービスとしての放送」の限界と可能性 ―― BBCの現代的意義 中村美子 1 はじめに ―― 放送の始まりと公共放送の誕生 / 2 公共放送モデルとしてのイギリス BBC / 3 市場原理の導入と公共サービス放送の縮小 / 4 公共放送の転換 / 5 公共 サービスとしてのBBCの限界 / 6 公共サービスとしての放送の可能性 ―― BBCの現代 的意義
第3章 メディアの公共性をめぐる制度と法 鈴木秀美 1 メディア法制における公共性 / 2 放送法制の概要 / 3 放送の自由と規制 / 4 NHK の公共性
第4章 メディアと公共性 大石 裕 1 はじめに ―― メディアと民主主義 / 2 公共圏としてのメディア / 3 メディアの公共 性 / 4 公共サービス放送 / 5 公共サービスメディア / 6 結び ―― 公共性と共同性
第U部 公共サービスメディア論の視点
第5章 ヨーロッパの公共放送の現状と課題 中村美子 1 公共放送から公共サービスメディアへ / 2 圧力にさらされる公共放送 / 3 PSMの六 つの価値 / 4 EBU Vision 2020の提言 / 5 ヨーロッパPSMの課題
第6章 デジタル化と今後の公共放送 タイスト・フヤネン 1 はじめに / 2 公共放送から公共サービスメディアへ ―― 批判的考察の必要性 / 3 放送と電子メディアとしてのラジオとテレビ / 4 メディア横断志向のユーザーと放送 メディア / 5 おわりに
第7章 グローバル市場における公共メディアの役割とその価値 タニヤ・マイヤーホーファー 1 はじめに / 2 国内における公共サービスメディアの「市場主義化」 / 3 国境を越 えた空間における公共サービスメディアの「市場主義化」 / 4 越境ネットワークの「市 場主義化」 / 5 越境型のPSMの制度化 / 6 PSM間の連携のダイナミクス / 7 お わりに
第8章 公共サービスメディアの理念と商業化 ―― BBCワールドワイドと英米系コンテンツの市場支配 ヒルデ・ヴァン・デン・ブルック、カレン・ドンダース 1 はじめに / 2 視聴覚コンテンツの流通・文化帝国主義、文化的近接性 / 3 PSM の理念と国内制作番組 vs. 海外購入番組 / 4 コンテンツ流通市場とBBCワールドワ イド / 5 おわりに 第V部 メディアの公共性と公共放送のゆくえ
第9章 新興国と公共放送 ―― タイ公共放送の成立をめぐって パラポン・ロドライドォ 1 はじめに / 2 タイPBSの目的と組織運営 / 3 タイPBSの基盤と市民参加モデル / 4 タイPBSモデルの運営と成功 / 5 「公共メディア友の会」の拡大 / 6 「TV Jor Nuer」 の経験 / 7 市民意識と「TV Jor Nuer」 / 8 おわりに
解題(中村美子)
第10章 グローバル社会における公共メディアと災害報道 田中孝宜 1 はじめに / 2 NHKと災害報道 / 3 内なるグローバル化と災害報道 / 4 グローバル 化で変わる公共放送 / 5 境界を越える公共放送
第11章 米国における非営利メディアの生態系 ―― 公共放送への挑戦 アラン・G・スタヴィツキー 1 はじめに / 2 デジタル環境の変化 / 3 デジタルメディアによる地元ニュースの役 割 / 4 デジタル・ニュース・メディアの国際報道 / 5 デジタルメディアの調査報道 / 6 共通のコンテンツと共通の価値観 / 7 デジタルメディアは公共メディアにどのような 影響を及ぼすのか / 8 おわりに
COLUMN アメリカにおける「公共放送」と新興の「非営利ネットメディア」(田中孝宜)
第12章 公共サービスメディアと人権 ミンナ・アスラマ・ホロヴィッツ 1 はじめに ―― PSMの存在意義 / 2 国民国家の文脈 ―― PSMを正当化するいくつか の議論 / 3 人権に基づくアプローチのグローバルな文脈 / 4 人権に基づくPSMのあり方 ―― ヨーロッパの事例 / 5 グローバルな次元でのPSMの存在意義 ―― ユートピアか、 一つの可能性か
第13章 コモンズとしての公共サービスメディア コリン・シュヴァイツァー 1 公共サービスメディアからコモンズへ / 2 コモンズという概念 / 3 PSMとコモンズの関 連性 / 4 コモンズとしてのPSMを検証する枠組み
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