倒産法実務の理論研究

はしがき
序 論 理論の支えある実務と実務に生きる理論 T 理論の支えある実務と実務に生きる理論 U 各章の成り立ちと主題 1 各編について 2 各章について V まとめ
第1編 破産法実務の理論的課題
第1章 賃借人破産における原状回復請求権の法的性質 T はじめに U 賃借人破産の場合の解除権の行使 1 破産管財人からの解除 2 賃貸人からの解除 ―― 法定解除権・倒産解除特約に基づく約定解除権 V 破産手続開始決定前の解除と原状回復請求権 W 破産手続開始決定後の解除と原状回復請求権 1 財団債権説と破産債権説 2 財団債権説とその根拠 3 破産債権説とその根拠 ―― 私見 X 東京地判平成20年8月18日 1 事案の要旨 2 判 旨 3 検 討 Y まとめ
第2章 ファイナンシャルアドバイザリー会社の法的責任に関する考察 ―― 否認権行使の対象となった事業譲渡の助言をしたFAに対する破産管財人から の損害賠償請求の可否 T 事案の概要 1 事案の概要 2 争 点 3 第1審判決(東京地判平成25年7月24日)の判断 U 控訴審(東京高判平成26年1月23日)におけるXの主張 1 債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求 2 不当利得に基づく報酬の返還請求 V 本判決の判旨 1 本件@損害に関する判断 2 本件A損害に関する判断 W 考 察 1 助言に際しFAが負担する義務の内実 2 相当因果関係論による画一的処理の不合理 3 FAの責任制限規定の適用の有無 4 否認対象行為該当性の判断 X まとめ
第3章 破産管財人の情報提供努力義務 T はじめに ―― 本章の目的 U 法的性質 V 情報提供努力義務違反の効果 W 破産手続開始決定前の使用者の情報開示義務との関係 X 破産管財人の善管注意義務との関係 Y 提供すべき情報の内容 Z 具体的事例の検討 1 年俸制における時間外手当の取扱い 2 インセンティブ報酬の取扱い [ おわりに
第4章 役員責任追及訴訟 T 役員責任査定の申立て、査定決定に対する異議訴訟、役員責任追及訴訟の概要 1 はじめに 2 破産手続における役員責任査定制度 3 再生手続における役員責任査定制度 4 更生手続における役員等責任査定制度 U 役員責任査定の申立て、査定決定に対する異議訴訟、役員責任追及の訴えの請求の 趣旨の記載方法 1 はじめに 2 役員責任査定の申立ての趣旨 3 査定決定に対する異議訴訟の請求の趣旨 4 役員責任追及の訴えの請求の趣旨 V 管財人等からみた主張立証上の留意事項、相手方等からみた主張立証(反論反証) 上の留意事項 1 はじめに 2 役員等の会社に対する任務懈怠責任 3 取締役の行為類型ごとの考察
第5章 預り金の破産財団帰属をめぐる信託的構成に関する考察 T はじめに U 問題設定 V 預金者の認定をめぐる解釈論 1 学 説 2 定期預金の事案における客観説の採用 3 平成15年の2つの最高裁判例 4 預金口座の名義に関する考察 W 救済法理としての信託的構成 1 預金者の認定からの帰結 ―― 信託的構成の必要性 2 信託的構成からの帰結 3 信託の成立要件の検討 X 考 察 1 問題の所在 2 信託成立の場合の効果からのアプローチ 3 信託の本質 ―― 信認関係に基づく財産主体と利益享受主体の分離 Y 弁護士の預り金との関係
第2編 濫用的会社分割をめぐる理論的課題
第6章 濫用的会社分割と民事再生手続 T 問題提起 ―― 濫用的な会社分割 U 会社分割手続における債権者保護手続との関係 V 民事再生手続上の諸問題 1 会社分割無効の訴えとの関係 2 詐害行為取消権・否認権との関係 3 民事再生法25条4号の「不誠実な申立て」との関係 4 再生債務者の公平誠実義務との関係 5 民事再生手続の廃止事由との関係 6 役員の損害賠償請求権の査定との関係 7 再生計画案の不認可事由との関係 W まとめ
第7章 濫用的会社分割と破産法上の否認権 ―― 詐害行為取消権との対比からの考察 T はじめに U 裁判例の概観 1 主な裁判例 2 動 向 V 会社分割の性質 1 包括承継(一般承継) 2 検 討 W 濫用的会社分割と詐害行為取消権 1 詐害行為取消訴訟の要件事実 2 濫用的会社分割に対する詐害行為取消権の可否 3 詐害性の有無について 4 受益者の悪意について 5 詐害行為取消権行使の効果について X 濫用的会社分割に対する否認権行使の場面との対比 1 はじめに 2 詐害行為取消権との対比 3 最判平成17年11月8日 4 考 察 Y おわりに
第8章 濫用的会社分割に関する改正提言 T はじめに U 従来の議論 1 濫用的会社分割の概念 2 債権者保護との関係 3 否認権行使に関する裁判例 V 濫用的会社分割に対する否認権行使の根拠に関する学説の対立 1 破産法160条説 2 破産法161条説 3 破産法162条説 4 小 括 W 会社法(平成17年7月26日法律第86号)改正 1 承継会社等に対する債務の履行請求 2 倒産手続との関係 X 考 察 ―― あるべき制度設計について 1 新たな否認類型の創設というアプローチの当否 2 訴訟手続の受継規定の整備というアプローチの当否 3 改正会社法の提起した課題 ―― 破産法上の直接履行請求権の創設
第3編 民事再生法実務の理論的課題
第9章 再生債務者の法的地位と第三者性 ―― 公平誠実義務に基づく財産拘束の視点から T はじめに U 大阪地判平成20年10月31日(判時2039号51頁) V 大阪高判平成21年5月29日(判例集未掲載) W 両判決のアプローチの違い X 再生債務者の法的地位をめぐる議論 ―― 手続機関説 Y 公平誠実義務の内実 ―― 個別執行禁止と財産拘束 Z 再生債務者の第三者性 [ 実体法上の「第三者」該当性 \ まとめ
第10章 別除権協定の効力をめぐる考察 T はじめに U 別除権協定の意義と必要性 V 別除権協定の内容 W 裁判例の概観と考察 1 事案の概要 2 第1審判決(松山地判平成23年)の判旨 3 第2審判決(高松高判平成24年)の判旨 4 最高裁判決(最判平成26年)の判旨 5 考 察 X 受戻合意に基づく請求権の法的性質について 1 問題の所在 2 学説の対立 3 考 察
第11章 小規模個人再生手続における巻戻しと競売費用の法的性質 T 事 実 一 事案の概要 二 前提事実 三 争 点 四 当事者の主張 1 争点(1)(共益債権該当性)について 2 争点(2)(再生計画による権利変更の有無)について U 判 旨 V 評 釈 一 争点(1)(共益債権該当性)について 1 住宅資金貸付債権 2 巻戻しの意義 3 巻戻しと競売手続 4 本判決の判断 5 住宅資金特別条項中に競売費用の支払について定めることの可否 二 争点(2)(再生計画による権利変更の有無)について 1 問題の所在 2 本判決の判断 3 将来給付の判決 三 控訴審の判断 1 控訴人(第1審原告)の補充主張 2 控訴審の判断
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