アートは地域を変えたか
― 越後妻有大地の芸術祭の13年:2000-2012

序 章 澤村 明 1 本書のねらい 2 条件不利地域と中山間地域政策 3 公共事業としての芸術祭 4 大地の芸術祭と地域のソーシャル・キャピタル 5 各章の概要
第1章 大地の芸術祭が行なわれるまで ―― 十日町地域での「ニューにいがた里創プラン」の総括 ―― 中東 雅樹 1 はじめに 2 広域行政圏制度の概要 2-1 広域行政圏制度の設立 2-2 広域行政圏の役割の変遷 3 新潟県の広域行政圏と里創プラン 3-1 新潟県の広域行政圏 3-2 里創プランの策定 3-3 市町村合併の推進と里創プラン 4 十日町地域での継続的な実施の理由 4-1 人口構造からみた十日町地域の特異性 4-2 十日町地域における里創プランの特異性 5 まとめ
第2章 大地の芸術祭の概要 澤村 明 1 公共事業主体の第1回開催まで 1-1 十日町圏域について 1-2 開催以前の準備期間 1-3 第1回以降 2 公共支出主体の第2・3回開催 2-1 第2回(2003年) 2-2 第2回と第3回のあいだ 2-3 第3回(2006年) 2-4 第4回への布石 3 自主財源主体の第4・5回開催 3-1 第4回(2009年) 3-2 第5回(2012年)
第3章 大地の芸術祭の経済効果 ―― 公共事業の経済効果測定方法 ―― 長谷川 雪子 1 芸術・文化施設やイベントの経済効果測定方法 2 産業連関表を使用した大地の芸術祭の経済効果測定 3 大地の芸術祭のCVM分析の試み 4 まとめ
第4章 大地の芸術祭とソーシャル・キャピタル 鷲見 英司 1 アートプロジェクトによる地域活性化 2 ソーシャル・キャピタルによって地域活性化を評価する意義 3 アートプロジェクトとソーシャル・キャピタルの関係 4 大地の芸術祭とソーシャル・キャピタルに関するアンケート調査の概要 5 地域住民は大地の芸術祭とどう関わっているのか 6 大地の芸術祭との関わりとソーシャル・キャピタルとの関係 7 大地の芸術祭が地域住民にもたらした変化 8 地域住民は大地の芸術祭をどう評価しているのか 9 まとめ:大地の芸術祭の地域活性化効果
第5章 大地の芸術祭と人々 ―― 住民、こへび隊、アーティストが創り出す集落・町内のイノベーション ―― 寺尾 仁 1 はじめに 2 地域社会の当事者の関係の変容 2-1 集落・町内−住民 2-2 こへび隊 2-3 アーティスト 2-4 小括 3 集落・町内とこへび隊の組織 3-1 組織論の理論 3-2 組織論から見た集落・町内とこへび隊 3-3 小括 4 まとめ―結論と今後の課題
第6章 大地の芸術祭と類似例 ―― 瀬戸内、新潟市を中心に ―― 澤村 明 1 他のアートトリエンナーレ等との対比 ―横浜、愛知、瀬戸内、新潟市― 2 瀬戸内国際芸術祭―越後妻有をベンチマーキング 3 新潟市の「水と土の芸術祭」の顚末 4 第2回「水と土の芸術祭」での見聞 5 行政が外部の専門家に頼るときの課題 6 越後妻有と水と土、瀬戸内
結論 アートは地域を変えたか 澤村 明 1 総論 2 経済効果はあったのか 3 社会的効果はあったのか 4 公共政策としての評価
参考文献一覧 編者あとがき 索 引
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