中国の市場秩序
―17世紀から20世紀前半を中心に
まえがき
序 論 中国の市場と市場秩序 古田和子 1 課題と分析視角 2 本書の構成
第1章 宋代抵当法の推移と『農田敕』――要素市場における司法と慣習 青木敦 1 はじめに 2 抵当の伝統 3 宋代における抵当慣行 4 抵当関連法律条文 5 『農田敕』と宋朝の姿勢の変化 6 関連する判語 7 おわりに 付録 『歴代判牘彙記』 『清明集』 第2章 明末清初の市場構造――モデルと実態 岸本美緒 1 はじめに 2 銀流入と国内経済の関係をめぐる問い 3 仮説的モデルの提示 4 「康熙不況」再考 5 おわりに
第3章 中国産アヘンの販売市場――1870年代〜1906年 林満紅(木越義則訳) 1 はじめに 2 アヘンの全国需給 3 川滇黔産地の販売市場 4 アヘン産地別の販売市場 5 販売ネットワークの特徴 6 おわりに
第4章 近代中国における市場秩序と情報の非対称性 ――19世紀末〜20世紀初頭 古田和子 1 はじめに――課題と分析視角 2 情報・情報財とその特性 3 情報が流れる関係・仕組みとしての制度 4 ノーダル・システムと市場の情報 5 おわりに
第5章 中国市場秩序における仲介の役割の再検討 ――1800〜1936年の上海製造業を事例として 陳計堯(瀬戸林政孝・古田和子訳) 1 はじめに 2 19世紀上海の市場仲介者 3 米――主要なアクターとしての市場仲介者 4 小麦粉――垂直統合対市場仲介者 5 マッチ――小麦粉取引との違い 6 セメント――企業の指令下での原料調達と販売 7 おわりに
第6章 ネットワークと制度の間で ――1920年代〜1930年代の上海商業儲蓄銀行の支店網拡大 李培徳(今井就稔訳) 1 はじめに 2 上海商業儲蓄銀行の支店網 3 ネットワークとその挫折 4 おわりに
第7章 清末民初期の市場システム 1870〜1919年 ――在華外国商人の役割を中心とした一考察 本野英一 1 はじめに 2 盾としての在華外国人 3 「経済侵略」の経路 4 おわりに
第8章 統制経済と市場秩序 ――戦時無錫地域の製糸業 1938〜1943年 陳慈玉(若松大祐・今井就稔訳) 1 はじめに 2 無錫製糸業のあらまし 3 日中戦争前における無錫の製糸業 4 統制下の製糸工業――華中蚕糸股份有限公司 5 統制外の製糸工業――家庭小製糸工場 おわりに
索引 執筆者・訳者紹介
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