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目次
生活史宣言
A5判/上製/404頁
初版年月日:2012/08/10
ISBN:
978-4-7664-1883-5
 
(4-7664-1883-2)
Cコード:C3036
税込価格:4,620円
生活史宣言
ライフヒストリーの社会学

目次

   序 章 生活史宣言の意図
 第一節 マニフェストの意図
 第二節 生活史の社会学的研究の意義と課題
 第三節 先行研究の概括
 第四節 生活史の「個性」と「時代性」
  1 〈等価性の世界〉2 「ライフ」の意味変化 / 
  3 口述とオーラリティ4 ストーリーとナラティヴ / 
  5 事実と社会的構築
 第五節 生活史調査の課題と論点
  1 当事者と当事者性2 語り得ないこと
 第六節 記憶論と表象論
  1 個人的記憶と社会的記憶2 記憶の時間と空間 / 
  3 事実と記憶と構築4 生活史とポスト・モダン
 第七節 本章の概観 

   第T部 現代社会学と生活史研究 

第一章 生活史研究の視角 
 第一節 現代社会学と生活史研究
 第二節 生活史研究の歴史的概観
 第三節 生活史の主題と方法の交錯
 第四節 生活史研究の四つの視角
  1 生活史事例の類型化(生活研究)
  2 質的調査法と「個人」研究(社会調査論)
  3 主観的現実の変更過程(現象学的社会学)
  4 生活史と社会史(社会変動論) 
 第五節 生活史研究の課題

第二章 生活研究とライフヒストリー
 第一節 生活学の歴史研究
 第二節 生活把握と生活研究
 第三節 生活の歴史的研究の布置連関
 第四節 個人生活史の主題と方法
 第五節 ライフヒストリーの可能性

第三章 再帰性とライフヒストリー
 第一節 ライフヒストリーとアイデンティティ
 第二節 再帰性とモダンとポスト・モダン
 第三節 アイデンティティ論の登場
  1 戦後社会意識の転換点2 社会運動と挫折 / 
  3 アイデンティティの種類と類型
 第四節 自我と他者関係
  1 「自己実現」という物語2 他者関係と役割の重層性 / 
  3 関係性の喪失と危機4 「再生」の物語
 第五節 アイデンティティの迷路
  1 自己−他者の境界の曖昧さ2 多重的自己と自己選択の複数性 / 
  3 知識・情報と意欲・関心 
 第六節 重層的アイデンティティと社会的属性
  1 エスニシティ・ジェンダー・年齢の重層性
  2 職業・労働・家族・地域の重層性3 国家・環境・グローバルの重要性 
   第U部 生活史の意味論 

第四章 質的社会学としての生活史研究
 第一節 質的データ・質的調査・質的分析
 第二節 生活史研究のジレンマ
 第三節 生活史資料の分類と性格
 第四節 関係性としての生活史調査
 第五節 質的データの比較分析
 第六節 生活史研究の連続体モデル

第五章 〈意味の社会学〉と生活史研究
 第一節 「意味学派」と経験的研究
 第二節 生活史の社会学的定義
 第三節 生活史研究と社会学説
 第四節 「意味の社会学」と生活史研究
 第五節 生活史研究の社会学的可能性

第六章 生活史における記憶と時間
 第一節 生活史研究の現在
  1 ライフ≠ニ「生活」のはざまで2 ライフヒストリーの宇宙(COSMOS)
 第二節 生活史調査における時間と記憶
  1 語りによる「記憶の生成」2 現在による過去の「意味付け」
  3 聞き手による「時間の共有」4 語り手による記憶と時間の秩序
 第三節 自伝における時間と記述
  1 自伝執筆の動機2 他者との共有と喪失 / 
  3 「喪の作業」と記述の意味
 第四節 記憶と「語り得ぬもの」
  1 「重要な意味」と「重要な意味喪失」2 記憶の欠落と語りの欠落 / 
  3 アイデンティティの喪失と再生
 第五節 時間と意味の重層性

第七章 生活史調査の意味論
 第一節 事実の探求と意味の探求
 第二節 社会調査方法論と意味論
 第三節 質的調査法とインタヴュー
 第四節 調査者―被調査者の関係性と意味の生成
 第五節 モノグラフ法と記述から作品化へ
 第六節 調査のバイアスとジレンマ

   第V部 生活史の応用と解釈

第八章 移民研究と生活史研究
 第一節 生活史のモデルとしての移民研究
 第二節 「移民」概念の再検討
  1 出稼ぎ移民・外国人労働者・国際的労働力移動の観点
  2 エスニック・マイノリティと適応―同化の観点
  3 多元化とボーダーレス化社会における「移民」概念
 第三節 「移民の生活史」研究の方法論的課題
  1 「生活史」の資料・方法・テクスト2 日系人移民の生活史研究のタイプ
 第四節 「移民と都市」をめぐる問題
  1 近代の都市化とエスニック・コミュニティ2 郊外化と移民の社会的移動 / 
  3 移民と都市と生活史

第九章 日系ペルー人のエスニシティ変容
 第一節 日本への「出稼ぎ」現象と「移民」概念の再検討
 第二節 リマ日系社会調査と日本への「出稼ぎ」
 第三節 女性と家族のライフ・ストーリー
  1 子育て・孫育てと「出稼ぎ」――Rさんの場合
  2 第二の人生としての「出稼ぎ」――Bさんの場合 
 第四節 日系人のエスニシティ変容

第十章 個人生活史の解釈
 第一節 生活史研究の多様な展開
 第二節 ライフ・ストーリーとライフ・ドキュメント
 第三節 自己と他者の関係性――反省としての「日記」
 第四節 記録することと論理的認識
 第五節 「生の記録」の解釈

第十一章 彷徨するアイデンティティ
 第一節 生活史とライフ・ドキュメント
 第二節 ライフ・ドキュメントとインタヴュー
  1 「生の記録」とライフヒストリー2 揺れるアイデンティティと「記録すること」 / 
  3 インタヴューそのもののドキュメント性
 第三節 稲垣尚友氏の生活史とライフ・ドキュメント
   1 出発点としての二二歳の旅立ち2 南島への憧れと「地名」採集
   3 島への定着と離脱4 竹籠作りから竹大工師へ
   5 島からの逃亡者意識と島への回帰
 第四節 捜し求めるアイデンティティ
   1 主観的リアリティとアイデンティティの揺らぎ2 メタファーとしての「旅」
   3 失われたものとしての「原初」4 拠点としての「島」
   5 存在証明としての「手」6 座標軸上のアイデンティティ
 第五節 モデルなきアイデンティティ
 第六節 その後の稲垣尚友氏


結 章 生と死のライフヒストリー 
 第一節 はじめに
 第二節 〈生〉としての生活史
  1 「生きられた経験」とライフヒストリー」2 生命・生活・生存の歴史
  3 構造と主体の相互作用としての社会学 
 第三節 〈死〉のライフヒストリー
  1 被爆者のライフヒストリー2 「死別」体験とライフヒストリー
  3 「自死遺族」という経験4 〈死者〉との和解 
 第四節 生と死の相互関係
  1 〈生者〉と〈死者〉の相互関係2 生と死と再生の循環
  3 〈死別〉の繰り返しと〈生〉の一回生4 サバイバー(生存者)の生き方 
 第五節 おわりに

あとがき
初出一覧
参考文献
索 引
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