国際関係のなかの日中戦争

『日中戦争の国際共同研究』刊行にあたって 山田辰雄 まえがき 西村成雄
総論 国際関係のなかの日中戦争――ヨーロッパ国際関係との関連を中心に 田嶋信雄 はじめに 一 満州事変から日中戦争へ 二 日中戦争の勃発から独ソ不可侵条約へ 三 第二次世界大戦の勃発から真珠湾奇襲攻撃へ 四 アジア太平洋戦争下のドイツと東アジア 五 本書の構成および内容
第1部 グローバル・ポリティクスとしての日中戦争 第1章 日中戦争と日独中ソ関係 田嶋信雄 はじめに 一 中独ソ三国連合構想の起源 二 中国の抗日戦争準備とドイツの対中国軍事協力 三 日中戦争下の日独中ソ関係 四 第二次世界大戦の勃発と日独伊ソ(中)関係 五 アジア太平洋戦争下の日独伊ソ(中)関係 おわりに
第2章 日中戦争期のソ連、アメリカ合衆国と国共「統一戦線」 N.L.ママーエヴァ(巽由樹子訳) はじめに 一 日中戦争勃発から真珠湾まで 二 太平洋戦争勃発以後 おわりに
第3章 抗戦期間における中国共産党とコミンテルン 楊奎松(梅村卓訳) はじめに 一 第一次分裂 二 第二次分裂 三 第三次分裂 おわりに
第4章 雲南省経由の援華ルートをめぐる国際関係――日本側の対応を中心に 石島紀之 はじめに 一 援華ルートの閉鎖(1939年秋〜1940年7月) 二 北部仏印進駐とビルマルートの再開(1940年7月〜11月) おわりに
第5章 ベトナム問題をめぐる中仏交渉 1945−1946年 楊維真(天野裕子訳) はじめに 一 ベトナム問題の由来 二 中国軍のベトナム入りと降伏受理 三 中仏外交交渉 おわりに
第6章 日本植民地帝国の展開と構造 山本有造 はじめに 一 「公式帝国」の形成 二 「非公式帝国」の拡大 三 南方進出と「大東亜共栄圏」 おわりに――日本帝国の終焉
第2部 二国間関係のなかの日中戦争 第7章 アメリカ戦時外交と中国辺境少数民族問題 劉暁原(高光佳絵訳) はじめに 一 ヨーロッパとアジアの「少数民族」問題 二 「中国の三方」の色 おわりに――「色」と「形」の政治学
第8章 抗日戦争期の蒋介石とスターリン 李玉貞(黒木信頼訳) はじめに 一 蒋介石とスターリンの接近――西安事変から中ソ相互不可侵条約まで 二 蒋介石のスターリンに対する参戦要請 おわりに
第9章 日中戦争前後のイギリス外交と中国観の変容 R.ミッター(木谷名都子訳) はじめに 一 戦争の勃発 1937〜38年 二 戦争終結とその後 三 大国としての中国? 四 新しい冷戦世界――イギリスと中国 五 共産主義の挑戦 おわりに
第10章 戦時中のカナダ−中国関係 ダイアナ・ラリー(日野みどり訳) はじめに 一 1937年までのカナダと中国 二 戦間期のカナダと中国 おわりに
第11章 蒋介石とインド独立運動 楊天石(渡辺直土訳) はじめに 一 ネルーの訪中 1939年 二 蒋介石による戴季陶訪印 三 蒋介石夫妻のインド訪問 1942年 四 蒋介石・ネルーの三次会談 五 蒋介石の対英進言と英印交渉の失敗 六 蒋介石、ローズヴェルトへの調停要求 七 インド情勢の悪化と蒋介石 おわりに
第3部 戦時日中関係の諸相 第12章 日中戦争直前における日中国交交渉 臧運祜(根岸智代訳) はじめに 一 中国側の「三原則」提案と日本側の回答 二 東京から南京へ――「三原則」に関する中日交渉 三 中日国交調整交渉の停頓と再開 四 張群・川越茂の南京交渉 おわりに
第13章 日中戦争と中国宣戦問題 土田哲夫 はじめに 一 盧溝橋事件と断交・宣戦回避の決定 二 日中国交の終結 三 抗戦の危機と和戦の論争 四 国際情勢の変転と宣戦問題 五 太平洋戦争勃発と中国の宣戦決定 おわりに
第14章 抗戦期重慶の歴史的役割 周 勇(関智英訳) はじめに 一 戦時の重慶社会 二 「大後方」における「政治センター」としての重慶 三 「大後方」における「文化センター」としての重慶 おわりに
第15章 戦前期中国(関内)における日本の海外神社 副島昭一 はじめに 一 天津神社 二 青島神社 三 北京神社について 四 「在中華民国神社規則」について おわりに
第16章 未完の戦争責任――旧日本陸軍登戸研究所の偽札作りについて 姫田光義 はじめに――本論文の主旨 一 経済・貨幣戦争としての日中戦争 二 「登戸産偽札」の効用とその後始末 おわりに
あとがき 石島紀之
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索引
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