多文化多世代交差世界における市民意識の形成

巻頭言 安西祐一郎 刊行にあたって 小林良彰
第1章 総論 多文化交差世界と市民意識 有末賢 T 多文化・多世代交差世界とは U 戦後市民意識と多世代状況――匿名性と下位文化 V 本書の構成
第T部 世代と社会化 第2章 “世代”の社会学的考察――“世代”の条件とその表象の変質 和田宗樹 はじめに T マンハイムの“世代”把握 U 与件としての「世代状態」 V 形成的志向としての「世代関連」の表象 W 考察と今後の課題
第3章 ユースカルチャーと時間――レトロスペクティブな若者文化の位相 松尾浩一郎 T 変容するユースカルチャー U 若者たちの新しい生き方 V 「若さ」と「新しさ」の転回 W 過去と未来のはざまで
第4章 再社会化とジェネラティビティ――向老世代のライフストーリーから 小倉康嗣 はじめに T 〈再帰的近代としての高齢化社会〉とエイジングの発見 U 社会の捉え直しと再社会化――向老世代のライフストーリーから V 世代の捉え直しとジェネラティビティ
第U部 社会化の場の変容――家族と教育の現代 第5章 IT型コミュニケーションと拡散的核家族――情報化と家族の変化のなかの社会化 渡辺秀樹 はじめに T IT化と修正核家族の可能性――〈e-work〉、〈tele-work〉と〈e-family〉〈tele-family〉とエイジングの発見 U 家族コミュニケーションの変容 V ITと人間関係形成能力
第6章 不登校事例にみる親子関係の変容プロセス――親子のライフヒストリーの比較から 青田泰明 はじめに T 不登校にみる親子関係のダイナミズム U 調査方法と対象 V 家族の「語り」 W 事例研究 おわりに
第7章 現代大学生の進学動機と職業観――ゆらぐ青年期とキャリアデザイン 小澤昌之 はじめに T 大学生の進路と就職の関係――青年期=モラトリアム期の社会的背景 U 問題枠組のパースペクティブ V 調査分析 おわりに
第V部 国際移動と社会化 第8章 「文化移民」――文化的活動をめぐる若者の国際移動 藤田結子 はじめに T 「プッシュ」要因 U 「プル」要因と「移住システム」 V 移住の象徴的な動機――なぜニューヨーク、ロンドンなのか おわりに
第9章 国際移動と再社会化――中国における日本人女性移住者の意識調査 オイ ション ゴウ T 問題提起 U 先行研究の考察 V 調査方法と対象者 W 移住する以前の意識 X 移住した後の意識 Y 考察と結論
第W部 市民社会の時間・空間 第10章 松田道雄における転向と戦争経験――戦後市民主義の歴史的契機として 和田悠 T 大正自由教育の経験 U マルクス主義への転向/からの転向 V 転向者としての戦時の出発 W 全体主義の時代経験 X 戦後への連続と非連続
第11章 多文化・高齢社会におけるソーシャル・キャピタルの醸成と健康なまちづくり 浦野慶子 はじめに――背景と目的 T ソーシャル・キャピタルの概念と健康なまちづくり U ソーシャル・キャピタルの醸成と健康なまちづくり V 考察と日本への含意
第12章 まちづくりと市民意識――街並みをめぐる「公共性」の諸相 石井清輝 はじめに――問題の所在 T 街並みをめぐる公共性の相克 U 街並み運動における「公共性」 V 「私民」からの「公共性」へむけて おわりに――要約と今後の展望
索引
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