EUの国際政治
域内政治秩序と対外関係の動態

巻頭言 安西祐一郎 刊行にあたって 小林良彰 謝辞 田中俊郎・小久保康之・鶴岡路人
序章 EUへのアプローチ――「EUの国際政治」とは何か(田中俊郎・小久保康之・鶴岡路人)
第1部 国際政治システムとしてのEU――域内国際政治の諸相 第1章 政府間会議にみる国際政治システムとしてのEU(田中俊郎) はじめに I 単一欧州議定書からニース条約へ II 諮問会議と政府間会議 III 検討 おわりに
第2章 EU域内における「日常」の国際政治――EUの政策決定における加盟国の関わりを中心に(小久保康之) はじめに I EUの「日常」と主要機関 II EUの主要機関と加盟国との関係 III 「日常」の政策決定プロセスの類型化 おわりに
第3章 欧州統合の中の独仏関係(渡邊啓貴) I 独・仏外交の前提条件 II 冷戦期の独仏関係 III 冷戦後の独仏関係 IV シラク時代の独仏関係
第4章 欧州統合の中の北欧諸国(吉武信彦) はじめに I 北欧・EU関係の基本的枠組み II EU域内国際政治と北欧諸国 III EU域外国際政治と北欧諸国 おわりに
第5章 EU環境政策にみる域内国際政治(和達容子) はじめに I EU環境政策の誕生と発展 II 基本条約におけるEU環境政策の決定手続き規定 III EU環境政策決定過程における主要機関とその関係 IV EU環境政策と東方拡大 おわりに
第6章 ジャン・モネと欧州統合――「モネ・メソッド」の効用と限界(宮下雄一郎) はじめに I 戦後復興とモネ II モネと欧州合衆国のための行動委員会(CAEUE) III モネと第5共和制 おわりに
第7章 EU域内市場における自由移動、基本権保護と加盟国の規制権限(庄司克宏) はじめに I 域内市場における自由移動の目的と性格 II 「まったく国内的な状況」における逆差別 III 欧州司法裁判所による基本権審査と「EC法の範囲外にある国内立法」 おわりに
第2部 国際政治の中のEU 第8章 冷戦と欧州統合(細谷雄一) はじめに I 冷戦の起源と欧州統合 II 欧州統合と大西洋同盟の始動 III NATO体制の中のEEC IV デタントから冷戦終結へ おわりに
第9章 新しい安全保障主体としてのEU(小林正英) はじめに I 欧州統合における安全保障的側面 II 安全保障主体としてのEU III 国際政治としてのEU――むすびにかえて
第10章 EU外交の中の欧州安全保障防衛政策 ――付加価値の再検討とEU内調整の課題(鶴岡路人) はじめに I EU外交の構造とESDPの前提 II 文民要素の発展 III 文民要素発展の含意――「新しい」政策手段としての付加価値の再検討 IV 他組織・他政策との調整――「EU・EU関係」の課題 おわりに
第11章 EU拡大における地域間主義(interregionalism)(東野篤子) はじめに I EUと地域主義、地域間関係 II 中・東欧諸国との拡大における地域間主義 III EU拡大プロセスと地域間主義の連関における新展開 おわりに
第12章 縛られた巨人 ――GATT/WTOレジームにおけるEUのパワーとアイデンティティ(明田ゆかり) はじめに I 多国間貿易レジームにおけるパワー II GATTにおけるEU ――リーダーシップなきパワーの行使 III パワーの転換点――単一市場プロジェクト、ウルグアイ・ラウンド、アメリカ IV 積極的なパワーの行使とその限界――ドーハ開発アジェンダへの道 おわりに――EUの課題と挑戦:縛られた巨人
終章 EUの変容とEU研究の新しい課題――日本からの視点(鶴岡路人) はじめに――なぜ日本からの視点か T EU内国際政治への視点 II EU外交への視点 おわりに
索引
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