異文化接触から見る市民意識とエスニシティの動態
はじめに I 研究の背景と意義 II 本書の構成 III 調査手法 IV 調査地の概要 V 用語解説
第1章 エスニック・ツーリズムと「真正な文化」の語り手:既存研究のまとめ I 「演出された本物」としてのエスニック・マイノリティらしさ II 「演出された本物」と「真正な本物」 III イメージのつくり手は誰か IV エスニック・イメージをめぐる観光ミドルマンの役割 V 国家とエスニック・ツーリズム VI ローカルな人々による観光イメージの飼いならし VII ローカルな人々の間の主体の多様性
第2章 政治的概念としての「山地民」 I 近代化以前の北タイにおけるエスニシティ状況 II 国民国家の創設と「主流民族」の創出 III 官製「山地民」概念の創出 IV 「遠隔地域」の開発と「山地民」イメージの醸成 V 博物館展示に見る「山地民」イメージ表象
第3章 観光資源としての「山地民」 I タイの経済開発政策と観光 II タイにおける観光推進政策の変遷 III タイの国際政治と観光 IV 観光振興政策の推進 V 地方における観光開発の普及 VI 観光資源としてのトレッキング・ツアー VII 観光イメージとしての「山地民」らしさ
第4章 イメージ管理者としての国家 I トレッキング・ツアーの利益配分構造 II ツアーガイド資格の取得システム III 旅行代理店の運営資格システム IV イメージのつくり手と権威
第5章 イメージ提唱者としてのミドルマン I 「ローカルな人々」としてのツアーガイド II 観光客の視点と「ローカルな人々」の視点のあいだ III 「都会人」としてのツアーガイド IV ツアーガイドが語るエスニック・イメージの多面性 V 主流民族を演じる「山地民」ミドルマン VI 「山地民らしさ」を提示する主流民族ミドルマン VII 客体化された「主流民族らしさ」を演じるミドルマン VIII エスニック・ヒエラルキーを越える手段としての「山地民」らしさ IX エスニック・ツーリズムにおける自己表象
第6章 イメージを再生産する「山地民」 I 「我々の記憶」に溶け込む観光イメージ II 「自文化」発信と「我々」意識の醸成
第7章 「山地民」イメージを担える人/担えない人 I 「我々」カテゴリーをめぐる認識のズレ II 主流民族の視座と観光ミドルマン III 観光客自身の立場による山地民認識の多様性 IV 「山地民」による「山地民」認識の多様性 V 「我々」の中枢を担うもの
おわりに
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