墓標の民族学・考古学

刊行に寄せて 鈴木公雄
序 章 墓標の民族学・考古学的研究の目的と方法 一 物質文化研究としての墓標研究 二 墓標の資料的価値 三 墓標に見られる変化と地域的・歴史的・社会的コンテクスト
第一部 物質文化研究の理論的視座 第一章 物質文化研究の学問的地平 一 社会科学における物質文化研究 二 考古学・民族学・民俗学における物質文化研究 第二章 物質文化研究の理論と墓標研究 一 物質文化に見られるアセンブレッジ 二 本質主義批判の方途としてのハイブリディティー概念 三 歴史的・社会的コンテクストとハイブリディティー
第二部 墓標研究の歩み 第一章 日本における墓標研究の歩み 一 考古学における墓標研究史 二 民俗学的な墓標研究と石工についての研究史 第二章 欧米における墓標研究の歩み 一 欧米における墓標研究の位置付け 二 墓標のプロセス考古学的研究 三 日本人による海外での墓標研究の動向
第三部 近世墓標の民族学・考古学的分析 第一章 近世日本における墓標とその型式の変遷 一 近世墓標とは何か 二 近世墓標研究の調査方法 三 近世墓標の型式分類と石材の分類 四 墓標型式の変遷とその画期 第二章 墓標の形態変化と石材流通の諸相 ――淀川・木津川流域の事例―― 一 淀川・木津川流域における近世墓標の形態と石材 二 頭部が弧状を呈する墓標(B型)の普及と和泉石の需要 三 和泉石と墓標型式の普及の背景 四 小結 第三章 墓標の石材に見られる地域的差異(一) ――京都府南山城地区で採石される花崗岩の消長―― 一 問題の所在 二 墓標型式に見られる地域的差異 三 石材に見られる地域的差異 四 梅谷地区の歴史的背景 五 小結 第四章 墓標の石材に見られる地域的差異(二) ――奈良春日裏山産カナンボの消長とその影響―― 一 問題の所在 二 奈良における近世石工研究 三 木津郷周辺の墓標から見たカナンボ石使用の地域的傾向 四 カナンボ石採石の歴史的背景と石工集団の消長 五 小結 第五章 葬送単位としての村と墓標造立の意味 ――奈良県旧磯城郡上之郷村六邑の墓制―― 一 郷墓に立つ墓と村墓に立つ墓 二 郷墓研究の概略 三 奈良県旧磯城郡上之郷村六邑の郷墓 四 郷墓における墓標 五 小結 第六章 墓標のアセンブレッジから見た墓地空間 一 問題の所在 二 墓標研究における現象学的視点の必要性 三 墓標研究における統計学的手法の利用 四 空中写真による墓地空間利用順序復元の検証 五 小結 第七章 近世日本における墓標造立行為の復元 一 近世墓標の形態変化とその地域的・歴史的・社会的背景 二 近世墓標の民族学・考古学的分析の要約
第四部 日系移民の墓標の民族学・考古学的分析 第一章 日系移民の物質文化研究と墓標 一 エスニシティ論の理論的枠組みと物質文化研究 二 移民の帰属意識と形態表象としての墓標 第二章 ニューカレドニア日系移民の墓標研究 一 ニューカレドニア日系移民の経緯 二 日系移民の拡散と墓標形態の変化 三 銘文から見たニューカレドニア日系移民にとっての「死」 四 ニューカレドニア日系二世による墓標造立行為の個別分析 五 小結 第三章 ヌメアに生きた日系移民の生活財と墓標 一 ニューカレドニアにおける日系移民の人口移動とヌメアへの定着 二 ヌメアに居住した日系移民の生活財とパターン 三 ライフヒストリーから見た生活財 四 ヌメア市立墓地の中の「日本」エリア 第四章 ニューカレドニア日系移民の墓標造立行為の復元とその意味 一 日系移民墓標の形態変化とその地域的・歴史的・社会的背景 二 日系移民の墓標の民族学・考古学的分析の要約 終 章 民族学・考古学における墓標研究の理論的地平 一 墓標の文化的ハイブリディティーと墓標造立行為復元の意義 二 墓標研究と民族学・考古学研究の深化
引用・参考文献 あとがき 謝辞 さくいん
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