ニクソン訪中と冷戦構造の変容
米中接近の衝撃と周辺諸国

まえがき 増田 弘 序 章 問題の所在と構成 増田 弘
第一部 当事国の背景と歴史的意義 第1章 米中接近再考――「頭越し外交」の構造的分析 伊藤 剛 はじめに T 米中和解交渉と日中関係 U 「ニクソン・ショック」下の日米関係 V 日中国交正常化過程における米国 おわりに――中ソ対立と日中関係
第2章 中国の対米接近要因――国内的文脈と対外的文脈 望月 敏弘 はじめに T 国内的文脈からみた対米接近の動き ――国内政治の危機から再編成へ U 対外的文脈からみた対米接近の動き ――国際的孤立状況と中ソ対立の激化 おわりに
第3章 米中接近と台湾――情報統制と政治改革 松田 康博 はじめに T 米中接近の予兆 U キッシンジャー訪中とニクソン訪中発表への対処 V 国連脱退への対応 W ニクソン訪中に対する危機管理 X 蒋経国政権誕生に向けた「政治革新」 おわりに
第4章 ニクソン政権の対日安全保障政策 ――十字路に立つ同盟と米国の選択 藩 亮 はじめに T ニクソン=キッシンジャーの安全保障戦略と日本 U ニクソン・ショック前後の対日政策協議 V 対日新政策をめぐる攻防 おわりに
第二部 関係諸国への影響 第5章 米中接近と日本 ――日本政府(外務省)・自民党の対中国接近政策の失敗 増田 弘 はじめに T 日本政府(外務省)の第一次中国接近政策 U 日本政府(外務省)の第二次中国接近政策 V 日本政府・自民党の第三次中国接近策 おわりに――なぜ日本の中国接近政策は失敗したのか
第6章 米中接近と韓国 ――「大国間の協調」と軍事停戦体制 倉田 秀也 はじめに T 周恩来訪朝とNSDM48――同盟の強化と弛緩 U 第1回キッシンジャー訪中と軍事停戦体制――米中共同の影響力 V 第2回キッシンジャー訪中とコミュニケ起草作業――UNCURK解体への圧力 おわりに――朝鮮問題「局地化」の限界
第7章 米中接近とベトナム労働党 ――漸進的解放戦略と軍事攻勢戦略との間で 栗原 浩英 はじめに T 1971年初頭の労働党の内部事情と軍事行動の位置づけ U 米中接近に対する労働党の反応 V 1972年9月の戦略転換から南ベトナム武力解放決定までの道程 おわりに
第8章 日中接近とインドネシア ――「日・豪・インドネシア三カ国構想」の模索 宮城 大蔵 はじめに T スハルト訪日――不可解な目的 U スハルトの情勢認識――中国からの脅威 V 日本へのアプローチ――「日・豪・インドネシア三カ国構想」 W 曖昧な構想提起と経済問題での積極姿勢 X 日本の反応 Y オーストラリアの反応 Z 裏面でのアプローチ おわりに
第9章 米中接近とソ連 斎藤 元秀 はじめに T 珍宝島事件の衝撃 U ニクソン訪中発表の衝撃 V 第二次ニクソン・ショックとグロムイコ訪日 W ニクソン訪中とソ連の安堵 X 対日牽制外交の活発化――日中国交正常化から田中訪ソへ Y 条約締結阻止を求めて おわりに
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