No.1304(2025年11月号)
特集
No.1304(2025年11月号)
特集

三田評論
2025年12月号表紙
堀川惠子『透析を止めた日』が描く、故林新氏(元NHKプロデューサー・塾員)の腎不全の終末期の記録は鬼気迫るものがある。今日、日本の緩和医療が非がん疾病に拡大されつつある時期に、腎臓病に焦点をあてた「時の話題」は新たな知見を提供して秀逸。1年でほぼ90万人の人口減少が起こり、1人あたりGDPがG7先進国中最下位、韓国・台湾の後塵を拝しているわが国にあって、「移民」に依拠しなければ一定の経済活動の維持は難しく、他方経済の不調は外国人排斥の衝動を生む。特集「『排外主義』を問い直す」を通観して、焦点は「移民」の社会的統合にあると思われる。新しい日本の住民が先住者とともに、日本のメンバーになれるかどうかに国運がかかる。福澤先生の「非内地雑居論に就て」の勇気を持ちたいものである。『文明論之概略』刊行から150年。物事を突き詰めるラディカルな姿勢は大切です。
(赤木完爾)
アメリカ西海岸では、ウェイモが完全無人サービスの自動運転タクシーを始め、未来のモビリティ社会が近づいてきました。日本でも9月にトヨタの「ウーブン・シティ」が開業。モビリティを通じてどのような未来社会が見えるのか楽しみです。自動運転とEVを柱に、これからのモビリティがどのように社会との関係を築いていくのか。技術だけには留まらない考察を加えた特集です。
友成晋也さん
一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構(J-ABS)代表理事・塾員
インタビュアー:加藤貴昭(慶應義塾大学環境情報学部教授、体育会野球部部長)
30年間にわたり、アフリカで野球の普及と野球を通じた人材育成に取り組んでこられた友成さん。体育会野球部からJICAに入り、アフリカという地でゼロから野球を普及させてきたその足跡を辿ります。アフリカで学んだ「野球の三つのチカラ」とともに、慶應の「エンジョイベース・ボール」がかの地には息づいているようです。
世界五大ウイスキーの一つに数えられ、世界的にも人気が高い日本のウイスキー。大手酒造メーカーのみならず、近年はこだわりの蒸溜所も増えています。大衆居酒屋のハイボールから長期熟成の年代物まで楽しみ方も様々。そんな国産ウイスキーの人気の秘密や熟成技術、注目のメーカーについて愛好者の皆さんに語っていただきました。

母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。
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