No.1310(2026年5月号)
特集
No.1310(2026年5月号)
特集

三田評論
2026年5月号表紙
昭和30年、三田キャンパス第一校舎(当時の新館)102番教室での井筒俊彦助教授「言語学概論」の異様な盛り上がりを江藤淳が記録している。正規の受講生のみならず、もぐりの(毎週通ってきていた)京大生、素性不明の年長者、カトリックの尼さんほかが教室に溢れていたという。102番教室は今も同じところにある。「学校の思い出は空間の記憶」との指摘に首肯する。「特集・“歴史的建築”とは何か」は、歴史的文脈の中での建築の価値を考える必要や、集合的記憶の継承と建築の関係を論じる。一世紀を超える義塾とアメリカとの野球関係史をめぐる二篇、台湾出身の塾員の記事、いずれも貴重にして興趣に富む。義塾図書館の収蔵する「論語疏巻第六」が国宝に指定された。まことに慶賀の至りだが、斯道文庫住吉朋彦教授の語る顛末、改めて義塾内外の目利きの人々の存在やら、塾員の絆が生み出す学問と文化の分厚さを実感した。
(赤木完爾)
巷間、建物の価値が広く見直され、歴史的建造物の保存や利活用が進んでいます。文化財建築の見学イベントが各地で催され、多くの人の高い関心を集めています。地域の文化資源としての建物の魅力が再認識される一方、耐震性能の低下や維持管理コストの増加により解体に追い込まれる建物も多くあります。建物の歴史的意義とは何か。社会的存在としての建築のあり方について考えます。
子どもから大人まで、多様な世代に遊ばれているクレーンゲーム。今ではゲームセンターのみならず、ショッピングモールなどにも設置され、親子連れなどにも幅広く楽しまれています。1980年代以降、日本社会でなぜここまで愛されるようになったのか? 筐体や景品の進化とともに、メディアミックス戦略など日本独特の仕掛けや社会背景なども読み解きながら、その発展の理由を考えていきます。

母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。
慶應義塾大学関連の書籍