No.1295(2025年1月号)
新春対談
No.1295(2025年1月号)
新春対談
三田評論
2025年1月号表紙
巻頭は、政府税制調査会会長を務める翁百合氏と塾長との新春対談。翁氏は、「失われた三〇年」の潮目は変化しつつあり、「超高齢社会」の到来と人口減少への対応として、「人への投資」、「デジタル化」と「データ連携」の必要性、膨大な負債を抱える財政には「ワイズスペンディング(賢い支出)」をと説く。全く同感。「福澤先生が目指した全社会の先導者とは、中間層であり、そのボリュームゾーンを支えるのが義塾の教育」と塾長。広い分野で個々の塾員が意識・実践し、多様な人が幸せに生きられる社会を築き持続させることが重要。「江戸の版元(三人閑談)」は、高校日本史で習った田沼~寛永の改革時代の固定イメージを覆した。大河ドラマ「べらぼう」が楽しみ。高校生小論文コンテスト、受賞五作は秀作揃い。小泉信三賞受賞論文、「スライムの皮膚の牛」は表題からしてわからず。本文を読んで、問題の設定、参考文献、問題解決の方法と論理の展開、全て感嘆。
(田中俊郎)
本年のトップを飾る「新春対談」は昨年政府税制調査会会長に就任された翁百合さんと伊藤塾長による対談です。これからの時代を担う将来世代のために教育機関である慶應義塾は何ができるのか、また日本は国としてどのような政策をしていくのが望ましいのか。不透明な時代で目先のことばかり考えがちな中、中長期的な展望をテーマに語り合いました。
南郷市兵さん
大熊町立学び舎ゆめの森校長・園長
インタビュアー:橋口勝利(慶應義塾大学経済学部教授)
2023年に大熊町立学び舎ゆめの森の校長・園長に着任された南郷市兵さん。復興の途を歩む福島第一原子力発電所立地町で学校教育の舵取り役を担っています。0歳児から中学生までが集う教育拠点施設で、「子どもたちに解決困難な課題を乗り越える力を身に付けてほしい」と語る南郷さんに、地域の復興を後押しする新たな学校づくりのかたちについて聞きました。
飯村一輝君
パリ2024オリンピック フェンシング男子フルーレ団体金メダル・総合政策学部3年
聞き手:山内慶太(慶應義塾常任理事[体育会担当])
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の放映開始とともに江戸の出版文化への関心が高まっています。とりわけ名プロデューサー蔦屋重三郎が活躍した寛政期~文化・文政期は町人文化が栄えた時代。幕府による改革と出版統制の下で起こった出版ブームの実態に迫るべく、江戸の出版人群像と往時の読本の魅力を明らかにします。
〈選評〉小川原正道・恋田知子・小西祥文・谷口和弘・早川 浩・町田智子
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。