三田評論

明治31年から続く慶應義塾の機関誌

No.1301(2025年7月号)

特集

がんと社会

三田評論

─ 表紙絵:志村節子 ─

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寸描2025年7月号について

三田評論7月号

三田評論
2025年7月号表紙

近年、がんは早期治療すれば完治する、がんと共存しつつ長く生活できるとの認識がようやく定着してきた。反面それは、がん患者の生活を支えるという社会的取り組みの必要を生み出している。7月号の「特集・がんと社会」は、がん治療とそれを取り巻く諸問題に、医療政策の展開・薬事行政から、がん患者と家族の生活支援まで、問題ごとに目配りした論考が配置されている。「緩和ケア」は終末期にとどまらないことなど、はじめて知った。〈座談会〉「がん医療と患者を支える社会のあり方とは」では、参加者中3名の方が、自らがんを罹患し克服した経験を踏まえつつ、がんをめぐる様々な課題解決への取り組みを語っている。患者としての経験を社会に還元しようとする強い意思と勇気に感謝したい。慶應義塾大学病院がん相談支援センターの活動紹介記事中に二次元コードが入っている。急ぎの事情を抱えた読者には何よりの情報提供であろう。
(赤木完爾)

特集がんと社会

がんと社会

現在国民2人に1人が「がん」にかかると言われています。その一方、早期発見、医療技術の進歩に伴い、以前あったような「死と隣り合わせ」というイメージは薄れ、治療により完治し、またがんと共存しながら社会復帰して生活していくことが多くのケースで可能になっています。そのような現状を踏まえ、就業など社会とのかかわりの中で、今、何が課題となっているのか。がんサバイバーの方からの視点、高額療養費制度をめぐる議論、相談支援センターの役割など、今日的な課題を網羅した特集です。

座談会
がん医療と患者を支える社会のあり方とは

村本高史
サッポロビール株式会社人事総務部プランニングディレクター
古元重和
北海道大学大学院医学研究院教授・塾員
鈴木美穂
認定NPO法人マギーズ東京共同代表理事・塾員
竹内麻理
慶應義塾大学病院緩和ケアセンターセンター長
秋山美紀(司会)
慶應義塾大学環境情報学部教授

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