No.1300(2025年6月号)
No.1300(2025年6月号)
三田評論
2025年6月号表紙
昭和の磁場は依然強いものがある。今年は昭和100年の節目である。『三田評論』は6月号で創刊以来1300号に達した。本誌の既往を顧みて、昭和期に掲載された林毅陸(昭和2年)から千種義人(昭和56年)に至る7本の記事が翻刻・再掲されたことは意義深い。記事中に通底するのは、「独立の精神」を何より大切にする姿勢であろう。大戦の大惨禍を挟み世間が激変しても、この精神の重視は不動である。〈演説館〉のコメ不足に関する分析は凡百のメディアの解説記事を凌駕する。塾長の特別対談からは、世界を舞台に活躍する若き塾員の姿に勇気づけられる。長きにわたって本誌に漫画やカットを執筆していただいているヒサクニヒコ氏の特別インタビューは、創作の来歴を語って愉快な読み物。〈三人閑談〉ツタンカーメンの謎は、これまた愉快な学問の物語だ。多様な学問世界を擁する義塾ならではの好企画であろう。
(赤木完爾)
通巻1300号記念号
昭和100年の節目となる本年、三田評論は通巻1300号を迎えました。今号は記念号として、昭和年間の塾長らが寄せた過去記事を翻刻・再掲、口絵に載せた表紙の変遷とともに歴史を辿る企画としました。戦争という苦難により長い休刊を余儀なくされた本誌が辿った昭和の歩みを感じていただければと思います。
ヒサ クニヒコさん
「マンガ何でも劇場」の連載が通算250回を超えた、本誌おなじみのヒサクニヒコさん。記念号の企画として、塾生時代から義塾広報誌にイラストや漫画を描き続けたヒサさんに、慶應での思い出から漫画家になるまで、スタイルに対するこだわりなど、これまでの歩みを振り返っていただきました。
佐藤弥生
ロサンゼルス・ドジャース アジア太平洋オペレーションディレクター・塾員
黄金のマスクが発見されてから今年で100年となるツタンカーメンですが、その実態はまだまだ謎に包まれています。ツタンカーメンの死の真相とは? 複雑すぎるマスクの制作工程、数多くの出土品が意味するものとは? そんなミステリアスな存在であるツタンカーメンについて、三人の専門家の方々に思う存分語っていただきました。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。