No.1251(2021年1月号)
新春対談
No.1251(2021年1月号)
新春対談
三田評論
2021年1月号表紙
「大学のあり方」は、コロナにかかわらず問われ続けている。「未来から逆算した教育」の、未来像を語らねば。その前提としても、学問の自由への堂々とした評論を期待したい。石田京子と矢作尚久の真摯な研究に希望を見る。おからもミツバチもサステナブル。経済復興は固定観念を見直す小さな積み重ねからも。生来の悪筆で万年筆は断念。学位論文は和文タイプを買って打ち、やがて売り出された大きなワープロ専用機もすぐ買った。高校生の受賞作品には毎年うなる。焼け跡復興途上期生まれの筆者は、教室も足りない過密教育、家には兄3人と姉5人。空気など読んでいたら身が持たず、悩む間もなく社会の方が変わっていった。多様な情報を紡ぎ、考え、行動する高校生たちが、大学の未来も先導する予感。壮年期には次々と手術を五回。麻酔が覚めた後の全身の激痛に、ひたすら朝を待っていた。人生の最後に緩和ケアを選べることは、基本的人権でもあろう。
(山崎信寿)
昨年来、世界の風景を一変させてしまった新型コロナウイルスの流行拡大は大学のあり方にも大きな影響を及ぼし、オンライン授業の充実など様々な変革が喫緊の課題となりました。WHO事務局長補として、世界の感染症対策の最前線で活躍されてきた中谷比呂樹さんと長谷山塾長が、ポストコロナへ向けた社会、そして大学のあり方について示唆に富んだ対談を行いました。
万年筆を普段使用されている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。一昔前までは入学祝いの贈り物の定番であった万年筆も、今や、ずいぶんと様変わり。「インクから入る」若い女性など、見逃せない動きもあるようです。「関係性を持てる希有な商品」として手書き文化を支えてきた万年筆の魅力をたっぷり語り合っていただきました。
〈選評〉小川原正道・荻野安奈・権丈善一・須田伸一・早川 浩
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。