No.1250(2020年12月号)
特集
No.1250(2020年12月号)
特集
三田評論
2020年12月号表紙
終わりの見えない不安と不自由の中、巻頭写真の変わらぬ秋風景にほっとしたが、特集でまた現実に。働き方の強制転換で見えてきた課題への対応や、「時の話題」のような地元を見直す工夫も始まった。喪失を悲嘆して元に戻すのではなく、可能性を発展させて多様な働き方を実現させたい。一方、社会はテレワークに適さない多くの人々にも支えられている。新たな格差を生み出さないために、これらの仕事の展望も聞きたい。そもそも、懸命に働いても、家にいるとストレスになるような暮らししかできないのがおかしい。「冗長と成長のはざまで」(瀧俊雄)の視点が新鮮であった。サイボーグ009は「多様性の強さ」に納得。1027号の手塚治虫閑談を思い出す。「丘の上」の新幹線騒音は乗り心地にも関わる。筆者が初期東北新幹線のシートを開発していたころとは、鼻の形が全く違う。塾員クロスロードの「良い最期」(大塚太郎)には深く共感。この理念の普及を!
山崎信寿
4月の緊急事態宣言により、多くのオフィスでテレワークが本格的に導入され、そこから働き方が劇的に変わった方も多いかと思います。ICT機器の発展に依るところが大きいこの働き方の変化は、従来のオフィスの役割を変えていくと予想されます。「働き方改革」「労働生産性」を軸に、ニューノーマルの時代の新しい働き方が何をもたらすのかについて様々な角度から考えていく特集です。
遠野 遥さん
小説家・塾員
インタビュアー:山内志朗(慶應義塾大学文学部倫理学専攻教授)
平成生まれで初となる芥川賞受賞作家となった遠野さん。受賞作『破局』は慶應義塾大学の日吉・三田の両キャンパスが舞台となっています。塾生時代は三田の図書館で小説を執筆していた新世代の俊英に、創作の秘密を語っていただきました。
故石ノ森章太郎原作の漫画「サイボーグ009」はアニメ、映画で何回となく映像化され、連載開始から56年を経た今もいまだに人気は衰えません。この春、慶應SFC健康情報コンソーシアムの新型コロナ感染防止の呼びかけ「みんながヒーロープロジェクト」にも登場。人気を博しました。気鋭の批評家を交え、国民的アニメの深層に迫ります。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。