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国語からはじめる外国語活動

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A5判/並製/288頁
初版年月日:2009/09/05
ISBN:978-4-7664-1657-2
(4-7664-1657-0)
Cコード:C0037
定価 2,420円(本体 2,200円)

国語からはじめる外国語活動
森山 卓郎 編著
書評 目次 著者略歴

「春子さんは冬子さんと秋子さんに会いました」をふた通りに解釈できますか。

 主語、動詞、目的語あるいは人称や数(性)、時制や相(アスペクト)、句や節(修飾)といった概念をしっかりと把握できなければ、外国語だって理解できません。
 外国語学習を進める上で大切なことは、日本語力。本書は、英語と国語の授業を連携させることの重要性を説き、英語の知識を整理しながら、日本語について「再発見すること」を目指します!
外国語学習には英語と国語の連携が不可欠!
▼新しい学習指導要領で小学校現場に大きなとまどいをもたらしている「英語を中心とした『外国語活動』」。本書では、小学校での「外国語活動」の実践方法として、「ことば」という観点から日本語を見直しつつ英語を導入するやり方を小学校教諭にむけて提案する。
▼「ことば」の教育についての理念を説明する「理論編」と、その具体策として、特に英語学習をめぐって「これを知っておくと役に立つ」「ここが聞きたかった」というポイントを日本語と英語とを比べながらわかりやすく整理した「各論編」の二部構成。
▼日本語学、英語学、言語学など幅広い分野の研究者が協同して執筆、現場で使える本に仕上げた。

書評

英語教育 2010年10月増刊号「英語教育図書――今年の収穫・厳選12冊」(85頁)で紹介されました。

目次

はじめに

特別寄稿 国語教育と英語教育―言語教育の実現に向けて    大津由紀雄

T 総論編「国語と英語の連携に向けて」
 外国語活動を支える「国語の力」
 「英語の前に国語」の声に応えられる言語教育とは
 ことばの学習の理論的基盤
 流暢さと正確さの両立を目指す
 早期英語教育における発見学習の重要性
 英語と日本語の「主語」を考える
 「品詞」をどう考えるべきか

U 各論編「日本語と英語の違い ここがおもしろい!」
 1.音声のお ……

著者略歴 著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。

【編著者】
森山 卓郎(もりやま・たくろう)
京都教育大学教授。1960年3月京都市生まれ。大阪大学大学院博士課程修了(学術博士)。専門分野は日本語学(特に文法論やコミュニケーション論)。言葉という観点から国語教育についても研究を進め、国語の教科書にも関わっている。著書に、『日本語動詞述語文の研究』(明治書院)、『ここからはじまる日本語文法』(ひつじ書房)、『コミュニケーション力をみがく』(NHK ブックス)、『コミュニケーションの日本語』(岩波書店)、『表現を味わうための日本語文法』(同)、『音読・朗読入門』(同、共著)、『モダリティ』(同、共著)、『言葉から考える読解力』(明治図書)、『標準日本語 初級』(人民教育出版社、共著)、『標
準日本語 中級』(同)などがある。

【執筆者】(五十音順)
梅原 大輔(うめはら・だいすけ)
甲南女子大学文学部教授。1963年京都市生まれ。大阪大学大学院文学研究科単位取得退学。専門分野は英語学(意味論)。共訳書にジョージ・レイコフの『認知意味論』(紀伊国屋書店)。近年は、英語学習者の持つ言語意識や学習者言語の採集に取り組んでおり、その分野の研究として「英語学習者の英語意識」(『甲南女子大学研究紀要』35号)、「Let’s 構文への文法意識とその習得」(『甲南女子大学研究紀要』43号)、「外国語学習におけるトップダウン処理とL1の影響」(『甲南女子大学英文学研究』オンライン版)などがある。

加藤 久雄(かとう・ひさお)
奈良教育大学教授。1954年名古屋市生まれ。東京都立大学院修士課程修了。専門分野は日本語学。語彙論と文法論について研究を進めている。また、日本語の観点から国語科教育、特に、語彙教育と文法教育について研究を進めている。著書に、『日本語学を学ぶ人のために』(共著、世界思想社)、『中学校国語 言語指導の方法』(共編著、光村図書)、論文に、「程度副詞の反期待について」(『日本語文法 体系と方法』ひつじ書房)、「品詞学習における学習過程とそのしくみ」(『ことばの論文集』おうふう)、「「橋本文法」の今日的意義」(『日本語学』28-4)、「数量を表す単語の文法性」(『国文学 解釈と鑑賞』74-7)などがある。

児玉 一宏(こだま・かずひろ)
京都教育大学准教授。1964年大阪市生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門分野は英語学・理論言語学。著書に、『言語習得と用法基盤モデル』(共著・研究社)、『言語学の領域(I)』(共著、朝倉書店)、『言葉と認知のメカニズム』(編著、ひつじ書房)、『認知音韻・形態論』(共著、大修館書店)、『現代言語学の潮流』(共著、勁草書房)、『他者を見る目』(共著、大阪教育図書)、論文に「言語習得と構文形成」(『言語』第36巻第8 号)、「認知言語学と言語習得?用法基盤モデルと構文習得の研究を中心に」(『英語青年』第148巻第11号)などがある。

菅井 三実(すがい・かずみ)
兵庫教育大学大学院准教授。1965年岐阜県中津川市生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程中退。専門分野は、日本語学・理論言語学。著書に、『認知言語学キーワード事典』(共著、研究社)、『認知言語学への招待』(共著、大修館書店)、『認知言語学のための14章[第3版]』(共訳、紀伊国屋書店)、『ことばをつくる?言語習得の認知言語学的アプローチ』(共訳、慶應義塾大学出版会)、論文に、「現代日本語における格の体系化と認知的分節機能」(『日本認知言語学会論文集』第8巻)、「格助詞『に』の統一的分析に向けた認知言語学的アプローチ」(『世界の日本語教育』第17 号)などがある。

冨永 英夫(とみなが・ひでお)
兵庫県立大学教授。1959年京都市生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程中退。専門分野は、英語学・言語コミュニケーション論。著書に、『英語学用語辞典』(分担執筆、三省堂)、論文に「英語総称文の意味について」(『河上誓作教授退官記念論文集』、英宝社)、「情報通信機器を活用した教育の試み?インターネットテレビ会議システムを活用した異文化学習支援の可能性」(『兵庫県立大学経済経営年報』第36号、兵庫県立大学経済経営研究所)、“Rhetorical Devices in Japanese Advertisements: Towards a Taxonomy”(『人文論集』第43巻、兵庫県立大学経済経営研究所)などがある。

濱本 秀樹(はまもと・ひでき)
近畿大学文芸学部教授。1952年和歌山県美浜町生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程中退。専門分野は英語学、英語教育学。早期英語教育にも関わっている。著書に『多文化世界の意味論』(松柏社)、『英語のテンス・アスペクト・モダリティ』(共著、英宝社)、『English WOrks』(共著、北星堂)。主要論文は“Irony from Cognitive Perspective”(Relevance Theory-Application and Implications, John Benjamins)、「早期英語教育における発見のプロセスについて?仮説形成推論と認知的方策による解明?」(『英語教育研究』31号)、「仮説形成推論と言語学習」(『文学・芸術・文化』20巻2号)などがある。

森 篤嗣(もり・あつし)
独立行政法人国立国語研究所研究員、小学校国語科教科書編集委員(光村図書)。1975年兵庫県尼崎市生まれ。大阪外国語大学大学院博士後期課程修了。博士(言語文化学)。専門分野は日本語学、国語科教育、日本語教育。主な論文に、「形容詞連用形に後接するスル?サセルの置換について」(『日本語教育』第120号)、「三上章における文法教育観(『国語と国文学』第83巻第8号)、「学校教育における「語彙」の教育」(『日本語学』第27巻第10号)、「書き手の語彙選択が読み手の理解に与える影響?文脈の中での意味推測を妨げる要因とは?」(共著、『日本語教育』第140 号)などがある。

【特別寄稿】
大津 由紀雄(おおつ・ゆきお)
慶應義塾大学言語文化研究所教授、東京言語研究所運営委員長。1948年東京都大田区生まれ。マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院博士課程言語学・哲学研究科Ph.D. 専門分野は言語の認知科学(生成文法)。近著に『「英語が使える日本人」は育つのか?』(共著、岩波書店)、『ことばの宇宙への旅立ち1・2』『探検! ことばの世界』『ことばに魅せられて 対話篇』(ともにひつじ書房)、『英語学習7 つの誤解』(NHK 出版)、『小学校での英語教育は必要か』(編著)、『小学校での英語教育は必要ない!』、(編著)『日本の英語教育に必要なこと』(編著)、『ことばの力を育む』(共著、ともに慶應義塾大学出版会)などがある。

定価2,420円 (本体:2,200円)
品切・重版未定
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