No.1268(2022年7月号)
特集
No.1268(2022年7月号)
特集
三田評論
2022年7月号表紙
出口が見えない「特集」にため息。日本は海流に囲まれ、東西南北に長い陸には緑も雪も地熱もある。これらをエネルギーや食糧自給に活かす政策を。ローマ教皇がガリレオ裁判の誤りを認めるまでに360年。人類が戦争の不毛を認めて回避する知恵を得るのはいつか。「話題の人」の早川書房『ソロモンの指環』には、動物の武器と、その使用を避ける作法も記されている。65ページから野球記事3つ。こちらの戦いは人を育てる。「時の話題」の国語教育。成長期に出会った様々な文章から、世界が広がることもある。元専門日本語教育学会長として、生徒たちには「仕事の文章は後で学べる」と伝えたい。「三人閑談」は「包む」。送り手は包む、結ぶに気持ちを込め、受け手は解く、開くでその心を感じるという。筆者の旅は軽量・多用途の風呂敷と共に。大塚宣夫の「非まじめ介護」に共感。悩むのはその先。「社中交歓」で蟬の抜け殻は漢方薬と知る。
(山崎信寿)
2月末からのロシアによるウクライナ侵攻は長期戦の様相を見せています。それまで築かれてきたはずの国際秩序はこれからどこへ向かうのか。冷戦後30年を経て欧州秩序はそのような変転を見せてきたのか。覇権主義的な国家への対応を中心としたわが国の安全保障・外交はどうあるべきなのか。総力を挙げた特集です。
早川 浩さん
株式会社早川書房代表取締役社長・塾員
インタビュアー:駒村圭吾(慶應義塾大学法学部教授)
アジアで初めて出版界の名誉ある賞、ロンドン・ブックフェア「国際生涯功労賞」を受賞した早川さん。慶應義塾理事・評議員でもある早川さんの出版人としての軌跡、翻訳出版に対する情熱、長年にわたる諸外国の作家との親交などを通して、「One And Only」を貫く早川書房という会社のキャラクターが浮き彫りになるインタビューです。
日本人は“包む”という行為を通じて、豊かな伝統文化を育んできました。例えば水引は贈る人から贈られる人への気持ちを多様なかたちで表します。風呂敷は用・強・美を備えた代表的な礼のかたちと言えるでしょう。あらゆるモノがワンクリックで届く今こそ“包む”愉しみを語れたら──。三者三様に“包むこと”を探求してきた三人のお話から、奥深い包みの世界に迫ります。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。