No.1253(2021年3月号)
特集
No.1253(2021年3月号)
特集
三田評論
2021年3月号表紙
激甚災害の復興では、様々なレベルの合意の有無が、自助困難者の当面の危機縮減のみならず、その先の希望にも大きな影響を与えている。何度も繰り返される共助の学びを、公助に反映できないか。特集や鼎談、演説館で知った法曹関係者らの奮闘に、そのヒントを見る。災害多発の日本では、誰でも被災者になる可能性が高い。公平性の「ポジティブな逸脱」を躊躇せず、現地で必要な支援を的確迅速に届ける公助体制の構築を期待したい。コロナ禍も、見えにくいところで生命財産を脅かしている大災害と言えよう。生活や労働に関わる権利など、法に込められた理念と措置を国民に伝える「社会教育」が重要なのは、今も変わらない。モノの作者は風景から発想を得てモノを作る。モノの所有者は時として作者が想定外の風景で使う。気兼ねなく展示を見に行ける日が待ち遠しい。著者の情熱が伝わる「執筆ノート」は、著作への誘引力が強い。巣籠もり読書にヨモギ餅。
(山崎信寿)
あの日から10年。突然被災地になってしまった東北の各地域は、この間、「復興」に向けて歩みを続けてきました。しかし、「復興」とは一体何か。そこには一様ではない地域各々の事情があるに違いありません。東日本大震災から10年を機に災害に強い「レジリエントな」社会とはどういうものか、何が「復興」の力になるのかを考える特集です。
日本が国際協力の一環として、アジア諸国に向けて行っている法制度整備支援(法整備支援)には多くの塾員の力が関わっています。市場システムの導入や民主化の進展に欠かせない法制度の整備により、「法の支配」をあまねく行き渡らせることは、その地の人々に多くの利益をもたらします。ネパールとラオスで法整備支援に関わった若き塾員を迎えての鼎談です。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。