No.1252(2021年2月号)
特集
No.1252(2021年2月号)
特集
三田評論
2021年2月号表紙
普遍的価値を伝えた「丘の上」の3話から、現世的価値を争う「特集」へ。イベントで使われた楽曲からの分析が新鮮。しかし、紅白歌合戦についていけない我々のような世代がアメリカにもいるなら、そこにも分断が。ゲイツ財団の健全な活動に救いをみる。これもアメリカ。寄付文化は巻末にも。時間的人間交際の寄付と空間的人間交際の三田会も、教育の「苦難」を減じる大きな助けになっている。「西」一字でコラムができるのは、豊かな人脈があればこそ。「したいこと」に対して「できること」と「許されること」が葛藤するのは万事に共通の悩み。生殖医療には、これらに未来の命が願う「したいこと」も加わる。三人閑談は対象を異なる視点から論じることで深くなる。カカオの生化学的効能や、チョコレートに魅了される脳科学的根拠はいかに。激動の近年、折々の物や生活を、後世に再現できるディジタル保存ができたなら。ヒサマンガは鋭い切り口で世相を描く。
(山崎信寿)
1月20日、第46代アメリカ大統領にバイデン氏が就任しました。この4年間のトランプ大統領の時代にアメリカ社会の「分断」は深まり、加えて昨年11月の大統領選挙以降の混乱は、1月6日の議会乱入で極まった感があります。アメリカ史に照らしてトランプ時代をどう捉えるか、「分断」は収束に向かうのか、また、世界はこれからのアメリカをどう見ているのか。総力を挙げた特集です。
柏倉美保子さん
ビル&メリンダ・ゲイツ財団 日本常駐代表・塾員
インタビュアー:琴坂将広(慶應義塾大学総合政策学部准教授)
新型コロナウイルスの世界的な流行はあらためて国際保健の重要性を浮き彫りにしました。その国際保健の分野を中心に途上国支援に大きな力を持つ、世界最大の慈善基金団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」の初の日本常駐代表として活躍する柏倉さん。SFC入学時から貧困の撲滅という初志を貫徹する柏倉さんに、ワクチン支援などの途上国支援の枠組み、日本だからこそできることを伺いました。
2月と言えば、チョコレート! このラテンアメリカ起源の褐色の品は現代に生きる日本人を魅了してやみません。現在、カカオ含有量の高いものが健康志向の高まりとともにもてはやされるとともに、「スペシャルティチョコレート」というカカオ豆にこだわった専門店もとても増えているようです。皆に愛されるチョコレートの世界をのぞいてみませんか?
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。