Web Only
ウェブでしか読めない
 
オリジナル連載
ビフォア・セオリー―現代思想の<争点>
 著者:田辺秋守(早稲田大学教授)

 

(冒頭より) ヨーロッパ語には、「現代思想」に文字通り対応する語は見当たらない。試みに「現代思想」に英/仏/独語を当ててみると、その人工性が如実に感じられる。contemporary thoughts, pensée contemporaine, zeitgenösisches Denken、こうしたタイトルの書物がまったく存在しないわけではないだろうが、ジャンルにまで特定されているかというと、疑問である。
書籍の特集
「革命」のドミノは回避できるのか
  「旧ソ連地域と紛争」著者による特別エッセー
 著者:廣瀬陽子(慶應義塾大学専任講師)

 

(本書の紹介) ソ連解体により独立を果たした旧ソ連構成一五共和国、とりわけコーカサス諸国は数多の民族紛争を抱え、またカスピ海の天然資源や地政学的位置の重要性ゆえに、ロシアおよび欧米諸国がその影響力を保持しようと当地の紛争、政治・経済に深く関与するため、その混乱の度合いは厳しいものとなっている。本書では、旧ソ連地域の国際関係・内政問題の文脈を押えつつ、特にコーカサス/アゼルバイジャンの事例に沿って、「紛争予防」や「人間の安全保障」といった平和構築への取り組みを検証する。

書籍の特集
『G.I.ジェーン』とフェミニズムの間で
  『軍事組織とジェンダー」著者による特別エッセー
 著者:佐藤文香(中部大学専任講師)

 

(本書の紹介) 日本の軍事組織・自衛隊及び防衛大学校をめぐるジェンダー・イデオロギー研究。 米軍における膨大な先行研究を取り込み、自衛隊のジェンダー政策と自衛官募集ポスターの表象の変遷を追い、自衛隊及び防衛大学校のフィールド・ワークを行うことで、自衛隊が、男性を範型とし、性別関与的に組織を構造化してきたプロセスを解明する。

『G.I.ジェーン』軍事組織とジェンダー を読む
書籍の特集
「アフター・アメリカの世界」
  2004年サントリー学芸賞受賞作『アフター・アメリカ』。著者にききたい、アフターアメリカの地図などを掲載しています。
 著者:渡辺 靖(慶應義塾大学助教授)

 

(本書の紹介)「保守」と「リベラル」を超えてアメリカ最古で最上の名門家族である「ボストンのバラモン」。
アメリカン・ドリームを体現したアイルランド系移民家族の「ボストン・アイリッシュ」。 2つの世界を通してアメリカ市民社会の最深部を浮き彫りにした新進気鋭の文化人類学者による衝撃のデビュー作。著者の渡辺氏からのメッセージ、ならびに『アフター・アメリカ』に登場する地域の特集を掲載。
書籍の特集
刊行にあたって
  『市民と武装』著者からのひとこと
 著者:小熊英二(慶應義塾大学教授)

 

(本書の紹介)アメリカ連邦政府憲法修正第2条「市民武装権」に着目し、アメリカにおいてはなぜ市民が「武装」するのか、なぜ銃規制が一向に進まないのかを歴史的に検証し、近代 市民社会のあり方を解き明かす「市民と武装」。多民族国家アメリカの国家統合理念を戦時動員の思想的背景の中に探り、20世紀の多民族国家のナショナリズム概念の特殊性を明らかにする「普遍という名のナショナリズム」。一貫して日本とは何か、日本人とは誰かを問い続けてきた気鋭の論客が、自由の国であると同時に、軍事国家で もあるアメリカの原点をラディカルに検証し、アメリカという新たな<帝国>の本質を鮮やかに解き明かす。

刊行にあたって を読む
書籍の特集
あとがき part2
  『<癒し>のナショナリズム』の本書に掲載されていないあとがきです。
 著者:小熊英二(慶應義塾大学教授)、上野陽子

 

(本書の紹介)「新しい歴史教科書をつくる会」とは何だったのか。 ―〈日本〉という居場所をもとめて「つくる会」につどう人々― 「新しい歴史教科書をつくる会」を一事例に、保守系ナショナリズム運動の草の根的活動を担う、自称〈普通の市民〉たちのメンタリティを実証的に分析。人々の心の闇のひろがりによる共同性の喪失を浮き彫りにし、現代日本のナショナリズムの行方を問う。 

あとがきpart2 を読む

他ジャンル

ページトップへ
Copyright © 2004-2005 Keio University Press Inc. All rights reserved.