No.1286(2024年3月号)
特集
No.1286(2024年3月号)
特集
三田評論
2024年3月号表紙
特集は「変わる家族と子育て」。女性が社会で大いに活躍する時代、子育てを夫婦で協力するのは至極当然の事。だが男性が育児休暇を遠慮なく取ることができるのか。理解ある企業は別として、会社の体質や同僚への配慮など実際は理想通りにはいかない。少子化の時代、子育ては社会全体の問題である、と言い切るべきだと思う。だが、平野氏が言及している「家」を中心とする考えは日本人の潜在意識の中にまだ残っているのではないか。「うちの子供」を「家内」に任せていたおやじ世代の考えが世の中に見え隠れしているのは事実。父親の子育てへの理解が深まったとは考えにくい。課題はまだ山積だ。「ベトナムに誘われて」(三人閑談)、植民地時代や戦争など重い歴史を背負った国と思いきや、少しも頓着しない(難波氏)明るい話題ばかり。筆者がたまに会うベトナムの留学生には昔の日本人の慎ましさを感じる。昨年の日越国交樹立五十周年を祝いたい。
(伊藤行雄)
近年、家庭内での性別役割分担の見直しもだんだんと進み、育児は両親ともに担うものという考え方が定着してきたように思います。しかし、男性の育休取得は、都市部の大企業では進む一方で、企業格差も相当あり、まだ課題は多いようです。少子化がどんどん進む中、子育て、そして家庭の役割はどのように変化していくのがよいのか。多角的に考えていく特集です。
温暖な気候や豊かな食文化で多くの人々を惹きつけるベトナム。2023年は日本との国交樹立50周年にあたる節目の年となりました。複雑な歴史をもちながらも平均年齢は33.3歳と若く、都市部は活気に満ちあふれています。力強く発展を遂げるベトナムの社会や文化、歴史について、ベトナムに魅せられた3人が語り合いました。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
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