No.1285(2024年2月号)
特集
No.1285(2024年2月号)
特集
三田評論
2024年2月号表紙
特集は「エネルギー安全保障を考える」。世界の主要国の中で異例なほどエネルギー自給率が低いといわれる日本。我が国のエネルギー安全保障とは何か。ガソリン価格の変動には神経を尖らせる一方で、危機感が薄い。座談会から見えてくる世界各国のエネルギーを求めての国際政治での駆け引きは熾烈なもの。エネルギー危機は国家存亡にかかわる意識を持つべき、というのが筆者の論者諸氏から受けた強いメッセージ。岩倉使節団を扱った「講演録」について。教育を中心に最先端の文化を見聞した使節団。英国側から用意された表の顔だけでなく、その裏の貧困状況も当時の記録「実記」に残されている。原資料に基づく話題が満載。「三人閑談」の冒頭で福澤の書が上手か下手かを巡る話。書や手紙の文字を見ればその人の個性を感じ取れるもの。福澤の書には温かく優しい人柄を反映しているというのが鼎談での見方。福澤の「書」の新たな再評価といえよう。
(伊藤行雄)
日々の生活に絶対に欠かせないエネルギー。輸入に頼るエネルギー資源を安価に購入できる間は、われわれ日本人はエネルギー安定供給の重要性をあまり意識してきませんでしたが、現在、エネルギー供給国を含む国々で大きな紛争が起き、かつてないほどにエネルギー安全保障の重要性が言われています。再生可能エネルギーへのシフトが世界中で進む中、ますます複雑化する、エネルギー安全保障のあり方を考える特集です。
和田丈嗣さん
アニメーションプロデューサー、株式会社WIT STUDIO代表取締役社長
インタビュアー:石川俊一郎(慶應義塾名誉教諭・評議員、映画プロデューサー)
2022年よりTVアニメシリーズが始まり、昨年末に劇場版が公開された『SPY×FAMILY』。老若男女に大変な人気で、観られた方も多いのではと思います。TVアニメ、劇場版、両方の制作を手掛けたプロダクション、WIT STUDIOの社長である和田さんに、この作品の世界観創作の秘密、数々の仕掛け、また現在のアニメーション業界の現状など、興味深いお話しを伺いました。ファンの方のみならず、必見です!
有名な「独立自尊」の扁額を始め、福澤諭吉の書は、200種類ほど残っているそうですが、今までどういうわけか、その書はあまり評価が高くなかったようです。それはどうしてなのか? 書道史、書道文化研究の第一人者を招いて、あらためて福澤諭吉の書を論じる、この閑談は、福澤諭吉の書に新しい光を当てています。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。