No.1283(2023年12月号)
特集
No.1283(2023年12月号)
特集
三田評論
2023年12月号表紙
特集は「物流危機を考える」。物を買うのにクリックすれば翌日には配送される便利な時代。もし物流が鈍化すれば日々の生活、経済一般に与える影響は計り知れない。この危機は人手不足だけが必ずしも原因ではないとのこと。業界のデジタル化、情報の共有が進み、中小の業者を含めて流通システムの共同化が可能になれば、解決の糸口になるのかもしれない。いずれにしても労働者不足はどの業界でも差し迫った課題。少子化・高齢化を見越した政府の政策の遅れがすべての原因と指摘されても仕方ない。「時の話題」。以前は電車の中で居眠りする人が多く、外国人の目には奇異に感じたようだ。今は誰でもスマホを食い入るように見つめている。睡眠の長さはその国の経済力に影響する。とすればスマホを見つめる時間だけ、総じて睡眠時間が短くなる。先進国の中で睡眠時間が最も短い日本の「睡眠負債」をどう解決すべきかは「睡眠の力」の育みかた次第。
(伊藤行雄)
いわゆる「2024年問題」が発生し、トラックドライバーの人員が不足し、モノが運べなくなると言われていますが、この事態は本当に起きるのでしょうか? 実は物流について、その実態を把握することは大変難しく、それほどドライバー不足は逼迫していないのではという話もあるそうです。一方、やがて来る本格的な人手不足に備え、自動運転などテクノロジーの力は不可欠です。経済の血脈とも言われる物流の近未来を考えていく特集です。
寺田親弘さん
Sansan株式会社代表取締役社長
インタビュアー:北村友人(東京大学大学学研究科教授・塾員)
本年4月、徳島県神山町に設立された「神山まるごと高専」は大変な話題を呼びました。なぜ、山間の地に「高専」なのか? 起業家育成を目指す高専とはどういうものなのか? 有名人を多数揃えた起業家講師や、故坂本龍一さんが作曲した校歌のこともあり、この一風変わった学校に注目が集まっています。この学校を設立した真意とは? ビジネスのフィールドで活躍するファウンダー・寺田さんの学校づくりへの想いと考えを余すところなく伝えます。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。