No.1277(2023年5月号)
特集
No.1277(2023年5月号)
特集
三田評論
2023年5月号表紙
特集は「団地の未来」。団地の話は老朽化や高齢化など後ろ向きの話題が絶えない。だが、同じ敷地内に暮らす住民同士の交流を通して環境を保全し、子育てでは近隣で協力し合える利点も大きい。住民で構成される管理組合や自治会がある団地は健全である。建替えや老齢化の問題は話し合いの積み重ねが重要。「きみは慶應二高を知っているか」では、戦後の混乱期に短期間、慶應第一高校、第二高校が存在したことに言及。第二高として甲子園に出場した野球の話を中心に、多大な戦禍を受けた慶應の一貫校の状況が描写されている。「執筆ノート」の『キャンパスの戦争』はお勧めしたい本。戦前、戦後の日吉キャンパスや学生達の青春が戦争によって翻弄された。その光景が鮮明に脳裡に浮ぶ。「三人閑談」はゴルフ界の話題。女子ゴルフ界のイメージを大きく塗り替えた宮里藍さん。彼女の爽やかな口調には時代を見つめる冷静なモラル感も見え隠れしている。
(伊藤行雄)
1960年代から70年代にかけて全国各地に建設され、戦後の日本における住宅の大量供給を担ってきた「団地」。半世紀以上が経過し、入居者の高齢化や建物の老朽化、外国人居住者による多文化化といった変化が指摘されています。一方、若い世帯の入居や機能更新等によって再活性化する例も。本特集では団地の過去・現在・未来を見つめ直し、“集まって住むこと”の魅力や価値を考えていきます。
風薫る五月、ゴルフ好きの方には願ってもない季節です。トッププロとして長く活躍された宮里藍さんを三田にお迎えして行われたゴルフ閑談。コースの設計の苦労話、50年間にわたってトーナメントを運営してきた経験談と相俟って、ゴルフの魅力、プロの厳しさ、そして生涯スポーツとしてのゴルフを身近に感じることができる閑談です。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。