三田評論

明治31年から続く慶應義塾の機関誌

No.1275(2023年3月号)

特集

共に支え合うキャンパスへ

三田評論

─ 表紙絵:志村節子 ─

税込価格:451円(本体410円)在庫あり

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三田評論3月号

三田評論
2023年3月号表紙

特集は「共に支え合うキャンパスへ」。大学は勉学に励み青春を謳歌できる環境である。しかし表面化しないジェンダー平等、性的マイノリティへの差別などの課題も残る。悩み多い若者が安全で自分らしさを保てる場所を創ること。2006年から7年間続いた「三田の家」。商店街の路地裏の古い民家に、多様な人間が集まり関わり合う先駆的な居場所ともいえる。心身ともにバリアフリーにするためには良いアドバイザーの存在も必須。協生とはそこから始まる。津田梅子と福澤先生。類似点は教育理念だけではない。二人の共通する信条、「海を渡る」は昔も今も若者への言葉。冒頭の演者の披露話は爽快だ。コロナ禍、津田塾の求めに応じて留学生を優先して、津田塾全員の職域接種に全面協力した義塾の度量に感服。ママチャリが主流の時代。固定ペダルの特異性を持つピストバイクの姿は美しい。種々なバイクやレースを語る三人閑談の3人の瞳は耀くばかり。
(伊藤行雄)

特集共に支え合うキャンパスへ

共に支え合うキャンパスへ

誰もが受け入れられ、尊重される環境をつくることは、今、どの社会、組織にあっても求められており、大学キャンパスはそれを先導する存在でなければいけません。さらに「多様性」が何か新しい見方・考え方を生み出す場所にするための様々な試みが大切になっています。コロナ禍を経て、対面で会うことの意義が増す現在、キャンパスから社会へ向け、多様性の意義と「居場所作り」の大切さを問う特集です。

座談会
「誰ひとり取り残されない」協生を考える

岩橋恒太
特定非営利活動法人akta理事長・塾員
田中 泉
アナウンサー・塾員
杉田秀之
障害当事者、外資系IT企業勤務・塾員
清水智子
慶應義塾大学理工学部物理情報工学科准教授
奥田暁代(司会)
慶應義塾常任理事【学生、協生環境推進担当】、法学部教授

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慶應義塾大学法学部教授
コロナ禍を経て、学生相談・学生支援を考える──学生相談室の視点から
髙山 緑
慶應義塾大学理工学部教授、学生総合センター学生相談室長


慶應義塾の協生環境実現のために
黒田絵里香
慶應義塾協生環境推進室事務長
「障害学生支援室の立ち上げと@easeプロジェクトの開始」について
中峯秀之
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス事務長兼協生環境推進室事務長代理
競争から協生へ──グローバル社会で認められる学塾を目指して
隅田英子
慶應義塾グローバル本部事務長兼協生環境推進室課長
多様な性を尊重する信濃町キャンパスの実現──安心と信頼につながる環境づくりに向けた活動
加藤恵里子
慶應義塾大学病院看護部長

三人閑談
ピストバイクで駆け抜ける

ピストバイクで駆け抜ける

メッセンジャー文化から一躍ブームとなったピストバイク。米国の書類配達人が日本の高性能な競輪用自転車に注目し広まったとされます。その特徴は変速機構をもたない「固定ギア」であること。ブームは日本にも伝播し、フレームの丈夫さや自在にカスタムできる愉しさと相俟って、今やファッション感覚で親しまれています。そんなピストバイクのさまざまな楽しみ方に迫ってみました。

ピストジャム
コメディアン、吉本興業所属・塾員
中島 大
株式会社自転車創業代表取締役CEO・塾員
小川咲絵
AX cyclocross team所属ライダー・塾員
講演録
福澤諭吉先生と津田梅子──職域接種への感謝を込めて
髙橋裕子
 
演説館
ウクライナ侵攻から1年──収束に向かうには何が必要なのか
合六 強
連載
福澤諭吉をめぐる人々その76 山口広江 松岡李奈
From Keio Museums・11 キャンパスの足元に眠っていた江戸の居酒屋 岩浪雛子
新慶應義塾豆百科72 卒業証書2
その他
巻頭随筆 丘の上 ────
私がブックカフェ「ことの葉」を始めた理由(わけ) 熊坂伸子
バンコクでのエンジョイ教員生活 澤田達男
『八波むと志と東京喜劇』を刊行して 森田嘉彦
執筆ノート ────
『残留兵士の群像──彼らの生きた戦後と祖国のまなざし』 林 英一
『あなたと動物と機械と──新たな共同体のために』 (ドミニク・レステル著) 渡辺 茂(共監訳)
『旅するナラティヴ──西洋中世をめぐる移動の諸相』 徳永聡子(共編著)/大沼由布(共編著)
Researcher’s Eye ────
情報と価値観の共有 大坂和可子
ソーシャルメディアの患者の声を医療に生かす 堀 里子
私たちはなぜコミュニケーションをとるのか? 陳 敦雅
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熱帯の島でのとんだおせっかい 吉盛真一郎
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行進 南波克行、塚原 理、堀田隆一、北川千香子
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慶應義塾で漫画、アニメ、ゲーム、ポップミュージックをどう研究し、どう学ぶか? ──「慶應義塾大学エンターテインメント三講座合同シンポジウム」報告 新島 進
ヒサクニヒコのマンガ何でも劇場、寸描(伊藤行雄)、山上広場、塾長室日誌(2023年1月)、塾内ニュース、三田会だより、慶應〝塾〟語事典、寄付・維持会申込者芳名
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