No.1275(2023年3月号)
特集
No.1275(2023年3月号)
特集
三田評論
2023年3月号表紙
特集は「共に支え合うキャンパスへ」。大学は勉学に励み青春を謳歌できる環境である。しかし表面化しないジェンダー平等、性的マイノリティへの差別などの課題も残る。悩み多い若者が安全で自分らしさを保てる場所を創ること。2006年から7年間続いた「三田の家」。商店街の路地裏の古い民家に、多様な人間が集まり関わり合う先駆的な居場所ともいえる。心身ともにバリアフリーにするためには良いアドバイザーの存在も必須。協生とはそこから始まる。津田梅子と福澤先生。類似点は教育理念だけではない。二人の共通する信条、「海を渡る」は昔も今も若者への言葉。冒頭の演者の披露話は爽快だ。コロナ禍、津田塾の求めに応じて留学生を優先して、津田塾全員の職域接種に全面協力した義塾の度量に感服。ママチャリが主流の時代。固定ペダルの特異性を持つピストバイクの姿は美しい。種々なバイクやレースを語る三人閑談の3人の瞳は耀くばかり。
(伊藤行雄)
誰もが受け入れられ、尊重される環境をつくることは、今、どの社会、組織にあっても求められており、大学キャンパスはそれを先導する存在でなければいけません。さらに「多様性」が何か新しい見方・考え方を生み出す場所にするための様々な試みが大切になっています。コロナ禍を経て、対面で会うことの意義が増す現在、キャンパスから社会へ向け、多様性の意義と「居場所作り」の大切さを問う特集です。
メッセンジャー文化から一躍ブームとなったピストバイク。米国の書類配達人が日本の高性能な競輪用自転車に注目し広まったとされます。その特徴は変速機構をもたない「固定ギア」であること。ブームは日本にも伝播し、フレームの丈夫さや自在にカスタムできる愉しさと相俟って、今やファッション感覚で親しまれています。そんなピストバイクのさまざまな楽しみ方に迫ってみました。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。