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							 貧者を愛する者
							  
								古代末期におけるキリスト教的慈善の誕生
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 司教はいかにして権威を得、主導的な地位に昇りつめたのか 今日もキリスト教社会で高く評価される美徳の一つ「貧者への愛」。それは紀元4〜5世紀に誕生し、キリスト教会を中心とした新しい社会システムを創成する新機軸となった。ローマ帝国のキリスト教受容という出来事を、古代末期研究の泰斗、ピーター・ブラウンが独自の視点で読み解く。メナヘム・スターン記念エルサレム歴史講演の記録。巻末には、訳者による論考を掲載。
 本書は、日本図書館協会選定図書です。
 
						
							
								出版ニュース 2012年7月上期号に書評が掲載されました(35頁)。
 
序言まえがき
 
 第一章 「貧者を愛する者」― 一つの公的な徳目の創造―
 「都市を愛する者」から「貧者を愛する者」へ
 「受けるよりも与えるほうが幸いだ」―パウロからコンスタンティヌスまで―
 コンスタンティヌス以後―特権と救貧―
 
 第二章 「貧者を治める者」司教とその都市―
 
 第三章 「謙譲」―東方帝国における貧困と連帯―
 
 ピーター・ブラウンの古代末期理解をめぐって―訳者あとがきに代えて―
 一 「古代末期」という時代区分
 二  ……
  著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】ピーター・ブラウン(Peter Brown)
 1935年アイルランド、ダブリン生まれ。オクスフォード大学ニュー・カレッジ卒。同大学フェロー、ロンドン大学、カリフォルニア大学バークレー校教授を経て、1986年、プリンストン大学歴史学科のロリンズ記念教授職に着任。1996年以降はロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ・カレッジの名誉フェローとなる。主な著作に『アウグスティヌス伝』(邦訳、教文館、2004年)、『古代末期の形成』(邦訳、慶應義塾大学出版会、2006年)、『古代から中世へ』(邦訳、山川出版社、2006年)など。
 
 【訳者】
 戸田 聡 (とだ さとし)
 文学博士(オランダ・ライデン大学)。
 専攻:古代キリスト教史、東方キリスト教文学。
 主な著訳書:『キリスト教修道制の成立 』(創文社、2008年)、A・H・M・ジョーンズ著『ヨーロッパの改宗――コンスタンティヌス《大帝》の生涯――』(教文館、2008年)など。
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