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生き延びること

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A5判/並製/256頁
初版年月日:2009/12/10
ISBN:978-4-7664-1636-7
(4-7664-1636-8)
Cコード:C0045
定価 2,640円(本体 2,400円)

生き延びること
生命の教養学V
書評 目次 著者略歴

「生き延びること」を巡る講義集。
▼「生死の先にあるもの」としての「生き延び」「サバイバル」に焦点を当てた論集。さまざまな文脈で「生きにくさ」「生きづらさ」が論じられる現在、私たちは「生き延びる」ことについての経験や知識をどの程度持っているだろうか。遺体科学、政治思想、医療人類学、労働の現場など多彩な切り口で、「生き延び」についての視座を提供する。

書評

日経サイエンス 2010年3月号「BOOK REVIEW」欄(121頁)で紹介されました。

目次

はじめに――この授業に生き延びがかかっていたもの   高桑和巳

寿命について考える   高木由臣

今「追い込まれた末の死」を考える
 ――精神科臨床実践をめぐる医療人類学   北中淳子

遺体科学の提唱   遠藤秀紀

クリプトビオシス――隠された生命   鈴木 忠

貧困を生き延びるということ――労働・生命・自由   杉田俊介

真剣勝負を生き抜いた武蔵の教え   吉田泰将

「生き延びること」の政治経済学
 ――グローバリゼーションと2つのサヴァイヴァル  ……

著者略歴 著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。

【編者紹介】
慶應義塾大学教養研究センター
2002年に日吉キャンパス・来往舎を拠点として開設された研究センター。時代と社会の変化に対応できる教養および教養教育にかかわる総合的な研究を企画・立案・組織し、主体的な研究活動を展開している。
http://lib-arts.hc.keio.ac.jp/

高桑和巳(たかくわ・かずみ)
慶應義塾大学理工学部准教授。1972年生まれ。2002年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。2008年より現職。専攻は現代思想論・社会思想史。著作に『フーコーの後で』(共編著、慶應義塾大学出版会、2007年)、ジョルジョ・アガンベン『ホモ・サケル』(翻訳、以文社、2003年)、ミシェル・フーコー『安全・領土・人口』(翻訳、筑摩書房、2007年)など。

【執筆者】
高木由臣(たかぎ・よしおみ)
奈良女子大学名誉教授。1941年生まれ。1967年京都大学大学院理学研究科動物学専攻修士課程修了、同博士課程中退。理学博士。京都府立医科大学助手(1969年)、講師(1974年)、奈良女子大学助教授(1975年)、教授(1994年)を経て、2005年定年退職。専攻は発生遺伝学、細胞生物学。著作に『寿命論』(日本放送出版協会、2009年)、『生物の寿命と細胞の寿命』(平凡社、1993年)、『Cell Immortalization』(共著、Springer、2000年)、『ゾウリムシの遺伝学』(共著、東北大学出版会、1999年)、『複雑系の科学と現代思想―生命システム』(共著、青土社、1997年)など。

北中淳子(きたなか・じゅんこ)
慶應義塾大学文学部准教授。1970年生まれ。シカゴ大学修士課程、マッギル大学博士課程修了。2008年より現職。専攻は医療人類学。著作に“Diagnosing Suicides of Resolve: Psychiatric Practice in Contemporary Japan”(Culture, Medicine and Psychiatry Vol. 32, No. 2, June 2008)、「鬱のジェンダー―北米と日本におけるうつ病の医療化言説を比較して」(『臨床精神医学』37巻9号、2008年)、「『神経衰弱』盛衰史―『過労の病』はいかに『人格の病』へとスティグマ化されたか」(『ユリイカ』2004年5月号)など。

遠藤秀紀(えんどう・ひでき)
東京大学総合研究博物館教授。1965年生まれ。1991年東京大学農学部獣医学科卒業。博士(獣医学)。国立科学博物館動物研究部研究官(1992年)、京都大学霊長類研究所教授(2005年)を経て、2008年より現職。遺体科学を提唱。動物の死体を無制限無目的的に収集し、死体から謎を解き明かし、死体を保存して後世に継承する。著作に『哺乳類の進化』(東京大学出版会、2002年)、『遺体科学の挑戦』(東京大学出版会、2006年)、『人体―失敗の進化史』(光文社、2006年)など。

鈴木 忠(すずき・あつし)
慶應義塾大学医学部准教授。1960年生まれ。名古屋大学理学部卒業、同大学院理学研究科博士課程単位取得退学。浜松医科大学教務員(1988年)、慶應義塾大学医学部助手(1991年)、同専任講師(1999年)を経て、2009年より現職。この間、1998年に金沢大学自然科学研究科より博士(理学)取得、2005-2006年コペンハーゲン大学動物学博物館客員研究員。現在の専門は比較動物学、クマムシの生物学。著書に『クマムシ?!―小さな怪物』(岩波書店、2006年)。

杉田俊介(すぎた・しゅんすけ)
1975年生まれ。川崎市在住。法政大学・大学院で日本文学を専攻。2002年よりケア労働者。現在、川崎市のNPO法人で障害者サポートの仕事に従事。有限責任事業組合フリーターズフリー組合員。著作に『フリーターにとって「自由」とは何か』(人文書院、2005年)、『無能力批評』(大月書店、2008年)。

吉田泰将 (よしだ・やすまさ)
慶應義塾大学体育研究所准教授。1960年生まれ。1985年筑波大学大学院体育研究科コーチ学専攻修了。体育学修士。1985年神奈川県私立森村学園中・高等部常勤講師。筑波大学体育科学系準研究員・文部技官(1987年)、慶應義塾大学体育研究所助手(1990年)、専任講師(1995年)を経て、2005年より現職。専攻は体育方法学(剣道方法論)・コーチ学(剣道コーチ学)。著作(共著)に『教育剣道を培った人々』(いなほ書院、1996年)、『剣道社会体育教本』(財団法人全日本剣道連盟、1998年)、『剣道医学Q&A』(財団法人全日本剣道連盟、2001年)、『体育理論』(慶應義塾大学通信教育部、2006年)、『誕生と死―生命の教養学W』(慶應義塾大学出版会、2008年)など。

増田一夫(ますだ・かずお)
東京大学大学院総合文化研究科教授。1954年生まれ。1988年東京大学人文科学研究科博士課程単位取得退学。2001年より現職。専攻はフランス地域文化研究、フランス思想。著作に『来るべき〈民主主義〉―反グローバリズムの政治哲学』(共著、藤原書店、2003年)、『カール・シュミットと現代』(共著、沖積舎、2005年)、ジャック・デリダ『マルクスの亡霊たち』(翻訳、藤原書店、2007年)、クリストフ・アギトン『「もうひとつの世界」への最前線』(共訳、現代企画室、2009年)など。

武藤浩史(むとう・ひろし)
慶應義塾大学法学部教授。1958年生まれ。慶應義塾大学卒、英国ウォリック大学博士課程修了。専攻は英文化・文学。著作に『「ドラキュラ」からブンガク』(慶應義塾大学教養研究センター、2006年)、『運動+(反)成長―身体医文化論U』(共編著、慶應義塾大学出版会、2003年)、『愛と戦いのイギリス文化史 1900-1950年』(共編著、慶應義塾大学出版会、2007年)、D・H・ロレンス『チャタレー夫人の恋人』(翻訳、筑摩書房、2004年)など。

根上 優(ねがみ・まさる)
宮崎大学教育文化学部教授。1948年生まれ。1975年東京教育大学大学院体育学研究科修士課程修了。体育学修士。東北大学助手(1976年)、鳴門教育大学助教授(1986年)、宮崎大学教育学部教授を経て、1993年より現職。専攻はスポーツ社会学・スポーツ文化論・武道論。著作に『隻流館の挑戦―柔道勝負合わせ千本の試練』(社団法人隻流館、2003年)など。 

前林清和(まえばやし・きよかず)
神戸学院大学人文学部教授、学際教育機構防災・社会貢献ユニット長。1957年生まれ。1985年筑波大学大学院体育研究科修士課程修了。博士(文学)。筑波大学文部技官、神戸学院大学専任講師、助教授を経て現職。専攻は心身論、武道思想、国際協力論、ボランティア論。著作に『Win-Winの社会をめざして』(晃洋書房、2009年)、『国際協力の知』(昭和堂、2008年)、『武道における身体と心』(日本武道館、2007年)、『近世日本武芸思想の研究』(人文書院、2006年)など。

定価2,640円 (本体:2,400円)
品切・重版未定
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