No.1290(2024年7月号)
特集
No.1290(2024年7月号)
特集
三田評論
2024年7月号表紙
特集は「スポーツとサイエンス」。選手の競技力の向上のために科学的データを駆使するのは当然のこと。ただ試合に臨む選手側にとってはデータだけが唯一拠り所かと問えば、そう簡単な問題ではない。体操を例にすると水鳥氏が語るようにすべてが機械で計測されたならば、演技の精確さ、美しさは画一化してしまう。特に数値化が難しい芸術性を考えると、科学的視点だけでよいのか。科学的なデータと人間の目による微妙なずれの補正はこれからの課題。また柔道で「直感で相手を見ぬく」のも数字に現れない経験値というデータに基づくもの。ともあれ、パリ大会での日本選手の活躍を期待したい。「福澤諭吉をめぐる人々」。ドイツで様々な功績を挙げた北里柴三郎が帰国後、「官」に冷遇された話は読んでいても辛くなる。福澤は不遇の北里を終生支え続けた。その福澤に代わり北里が紙幣の肖像となる。慶應にとっても喜ばしいことである。
(伊藤行雄)
もうすぐパリオリンピック・パラリンピックが開幕。アスリートの活躍に期待が高まります。一方、ここ数年のスポーツにおける、サイエンス、テクノロジーの発展は目を見張るものがあります。トレーニング、メンタル、コーチング、判定とあらゆる領域にサイエンスが浸透し、競技の質や、観戦の仕方にも影響を与えているようにも見受けられます。アスリートの方も交えて、「スポーツとサイエンス」について考えていく特集です。
KREVA(クレバ)さん
ラッパー、アーティスト
インタビュアー:川原繁人(慶應義塾大学言語文化研究所教授)
日本のヒップホップミュージックを黎明期から牽引してきたKREVAさん。今年ソロデビュー20周年を迎え、「KREVA CLASS【新しいラップの教室】」と題した“授業型エンターテインメント”に挑戦しました。慶應義塾大学在学中から、即興でラップを行う「フリースタイル巧者」として知られたKREVAさんに、日本語の可能性を探究する醍醐味を聞きました。
近年話題のクラフトドリンク。ビールやコーラ、さらには米のお酒まで、小規模ながらクリエイティブなメイカーが試行錯誤を重ねた製品が、飲食店や食卓で楽しまれています。スパイスやフルーツといった原料の配合によって生まれるオリジナルな味わいは多種多様。ところが、そんなクラフトドリンク造りの魅力に着目すると、原料の生産をめぐる意外な課題も見えてきました。是非、冷たいクラフトドリンクを片手にご一読ください。
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。