三田評論

明治31年から続く慶應義塾の機関誌

No.1280(2023年8・9月合併号)

特集

本と出合う

三田評論

─ 表紙絵:志村節子 ─

税込価格:451円(本体410円)在庫あり

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三田評論8・9月号

三田評論
2023年8・9月号表紙

特集は「本と出合う」。本をウエッブで検索するのは今では至極当然な話。日吉図書館では、検索技術を向上させる情報リテラシー教育に力を注いでいる。一方、本を探すとき、思いもよらない本に出会う楽しみは書店でしか味わえない。創意工夫された棚を巡り、新たな本との出合いは魅惑的で捨て難い。ところで日吉から書籍部が姿を消した。諸事情によると思うがこのままでよいのか。「関東大震災と慶應義塾」。「三田評論」大正十二年十一月号に掲載された元塾長の林毅陸「大震災所感」が再録。その文体と内容の凄味に圧倒される。詳細は都倉氏の解説を参照してほしい。当時のマスコミとは違い、朝鮮人虐殺についてなど舌鋒鋭く批判する勇気には深い感動を覚える。また幼稚舎生たちが綴った文章に現れる震災直後の光景は印象的だ。「“道草”を食いたい」(三人閑談)。都電が走っていた頃、青山墓地の土手下の線路で土筆を摘んだ子供の頃を思い出す。
(伊藤行雄)

特集本と出合う

本と出合う

書店に立ち寄り、ふと手に取った1冊の本。それがかけがえのない出合いとなった経験をお持ちの方は多いと思います。誰でも入れる場所だからこそ生まれる本との出合いは、人との出会いに似ているのかもしれません。出版不況、読書離れが言われて久しい中、ユニークな書店も増え、また数々の本との出合いの場をつくる試みも行われています。そんな現場を集めてみた特集です。

座談会
今、新しい「本との出合い」の場をいかにつくるか

小林えみ
よはく舎代表
宮城剛高
紀伊國屋書店経営戦略室長・塾員
岩尾俊兵
慶應義塾大学商学部准教授
横山千晶
慶應義塾大学法学部教授、日吉メディアセンター長

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笹田 珠生さん

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弁護士から金融の世界へ入り、米国金融大手の日本代表にまで上り詰めた笹田さん。D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)が重視されるグローバル金融の世界で、多様性をキーにして経営を進めています。1歩先を行く、その経営スタイルは「心地よい環境から抜け出してチャレンジしてみよう」という理念が支えているようです。

三人閑談
“道草”を食いたい

〝道草〟を食いたい

世代を問わず人気の山歩き。道すがら山菜採りを楽しみにされている方もいるのではないでしょうか。昨今は食べられる野草を判別する画像認識アプリが登場し、各種ウェブサイトでも調理法や美味しい食べ方が紹介されています。他方、自然ならではの怖さも……。そんな山菜や野草を中心に、“自然の中で出遭える食材”の魅力について語り合いました。

田村茂樹
山岳ガイド、羽黒山伏
犀川陽子
慶應義塾大学理工学部応用化学科准教授
相場博明
慶應義塾幼稚舎教諭
小特集
関東大震災と慶應義塾
『三田評論』に見る関東大震災
大震災所感(『三田評論』大正十二年十一月号より) 林 毅陸
関東大震災と福澤諭吉 都倉武之
『智慧』に書かれた幼稚舎生の見た関東大震災 白井文子
連載
福澤諭吉をめぐる人々その81 高橋順益 齋藤秀彦
From Keio Museums・16 「大衆割烹つるの屋」のカケラ(メニュー札、暖簾、椅子) 都倉武之
新慶應義塾豆百科77 塾監局内部・組織の変遷
その他
巻頭随筆 丘の上 ────
「できる人」はなぜできるようになるのか? 老田 潔
日本ホッケー発展の父 杉道助先輩を想う 織田浩志
お叱り先生 迫村純男
ヒサクニヒコのマンガ何でも劇場 〈特別編〉
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執筆ノート ────
『編集者の読書論──面白い本の見つけ方、教えます』 駒井 稔
『アート・ローの事件簿 盗品・贋作と「芸術の本質」篇/美術品取引と権利のドラマ篇』 島田真琴
『協働する探究のデザイン──社会をよくする学びをつくる』 藤原さと
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史料は面白い! 大薮 海
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寸描(伊藤行雄)、山上広場、塾長室日誌(2023年6月)、塾内ニュース、追悼、三田会だより、慶應〝塾〟語事典、寄付・維持会申込者芳名
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コロナ後の医療政策

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次号予告2023年10月号 No.1281

一貫教育一二五年

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慶應義塾維持会

慶應義塾維持会

母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。

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