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Study Skills for College English

「はじめに」

  

慶應義塾大学経済学部英語部会

 
 
 今日、社会の様々な分野で本格化するグローバリゼーションを背景に、教育現場においても活発な議論が交わされています。次世代を担う学生を送り出す大学における英語教育のあり方について真剣に考える時期を迎えていることは改めて言うまでもないでしょう。このような中、私たち「慶應義塾大学経済学部英語部会」ではここ数年にわたって、いかに実践的なアカデミック・イングリッシュ(=学問を修めるために必要な英語)の養成の場を学生に提供するか、また、そのためにはどのようなカリキ ュラムが必要かについて検討を積み重ねて参りました。その結果、必修科目「StudySkills」を起点とする体系的かつ段階的な英語教育カリキュラムの採用に至りました。 このカリキュラムでは、英語を用いて広い意味での教養を深めると同時に、学問のためだけでなく、将来のキャリアに幅広く生かすことができる英語運用能力を身につけることを目標としています。また、その方法として、ライティング・スピーキン グ・リーディング・リスニングの4技能を統合的に用い、日本語を介在させずに情報を受信し、発信・共有すること、つまり、英語を英語として理解し活用することを目指しています。

 本学部の学生は、1年次の春学期に、以下で簡単に紹介する「Study Skills」を履修します。この科目により、英語を用いたアカデミックな環境に順応できる基礎作りを、早い段階で行うことができます。そして、「Study Skills」修了後は、特定の題材を掘り下げる「英語セミナー」や「英語リーディング」という科目が用意されています。大学では、高校までに培った「英語を理解する力」をさらに発展させながら、同時に 「英語で発信する力」を身につけていく必要があります。そのための基礎を築くことが「Study Skills」の目標なのです。

 本書は、「Study Skills」を教授するために、私たち「慶應義塾大学経済学部英語部会」が数年にわたって独自に作成してきたStudy Skills Handbookに大幅に加筆・修正を施しテキスト化したものです。英語の基本技能を相互に関連付けながら集中的に学べる 教材となっています。各技能の学習目標は以下の通りです。

◆Writing
自分の考えを論理的に提示する英文パラグラフおよびエッセイの書き方を習得す る。
◆ Reading
読んだ文章の要点や概要を、パラフレーズ(言い換え)を用いて自分の英語表現でまとめる練習を行い、主題と論理構成を的確に把握する能力を養う。
◆ Presentation
英語によるプレゼンテーションの基礎を訓練し、効果的な話し方やジェスチャー、 論理的な構成、視覚にアピールする資料の作成と利用方法を習得する。

 本書を通して、少しでも多くの大学生の皆さんが英語による発信力を養い、近い将来、様々な分野で国際的に活躍できる礎を築いてくれることを願ってやみません。

 本書が出来上がるまでには、英語部会のメンバー以外からも貴重な協力を得ました。 特に、Presentation Section のために新たに写真を撮影してくださったJohn Helwig 氏には心から感謝申し上げます。また、本書出版の企画から出版に至るまで、いろいろと適切な助言を頂いた慶應義塾大学出版会の小磯勝人氏にもこの場を借りて、お礼を申し上げます。

 最後に、本学部の「Study Skills」のガイドライン(成績評価等)を以下に提示しま した。教員関係者の方々にご活用いただけましたら幸いです。
 なお、本学部の英語カリキュラムの詳細については、ウェブサイト
http://www.hc.keio.ac.jp/econeng/index.htm)をご覧ください。

2007年3月
慶應義塾大学経済学部英語部会

 

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