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占領期ラジオ放送と「マイクの開放」

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A5判/上製/544頁
初版年月日:2022/02/28
ISBN:978-4-7664-2802-5
(4-7664-2802-1)
Cコード:C3021
定価 4,620円(本体 4,200円)
占領期ラジオ放送と「マイクの開放」
支配を生む声、人間を生む肉声
書評 目次 著者略歴



第9回内川芳美記念メディア学会賞を受賞いたしました。

受賞に関する記事はこちら
選評



「人間宣言」をしたのは誰だったのか?
GHQの指導のもと制作されたラジオ番組『真相はこうだ』『真相箱』『質問箱』『街頭録音』を分析し、アメリカの占領政策と「ウォー・ギルト」、そして戦後日本の民主化の内実を問いなおす。
大本営発表を放送しつづけていたラジオは、敗戦後、連合国の占領下におかれてからは民衆の声を流しはじめた。日本の放送史ではこれを「マイクの開放」といい、戦後に達成された「思想・言論の自由」の結実だと評価している。
ところが、この「マイクの開放」が、誰に対してなされ、民衆が実際に何を語っていたかはこれまで明らかにされてこなかった。
本書は、NHKの未公刊一次資料やGHQ文書を用いながら、批判的談話研究(CDS)の枠組みに依拠して、占領期のラジオ番組『真相はこうだ』『真相箱』『質問箱』『街頭録音』における民衆の声の分析を行い、「マイクの開放」の内実を検証する。ラジオからの声を、GHQによる支配構造を強化するために発信される〈声〉と、占領下を生きる民衆間の共鳴を喚起した〈肉声〉として捉えなおすことで、アメリカの占領政策、天皇の戦争責任、戦後日本の民主化を再考する。

書評

『週刊エコノミスト』 2023年3月28日号「歴史書の棚」で紹介されました。評者は井上寿一氏です。 本文はこちら
『メディア史研究』 vol.53(2023年3月)(p.210-23)に書評が掲載されました。評者は賀茂道子氏です。
『日本近代文学』 2022年11月号(第107集)に書評が掲載されました。評者は広瀬正浩氏(椙山女学園大学国際コミュニケーション学部・教授)です。

目次

はじめに
  1 支配のなかで共鳴を生むラジオ――本書の問題意識  
  2 「マイクの開放」を問い、〈声〉に〈肉声〉を聴く――本書の目的と分析視点 
  3 声をことばから探究する――本書の理論的・方法論的枠組み  
  4 占領期ラジオ放送がもつ可能性――本書の特色  
  5 時を超え流れだす数多の声――本書の構成

 第一部 マイクに拾われた声を聴きなおす

第一章 占領期ラジオ放送の批判的談話研究──理論と方法
  1 ラジオに関する先行研究  
……

著者略歴 著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。

太田 奈名子(おおた ななこ)
1989年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。博士(学術)。専門は、メディア史、批判的談話研究。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、東洋大学・東京大学非常勤講師。
主な業績に「占領期ラジオ番組『真相箱』が築いた〈天皇〉と〈国民〉の関係性」『マス・コミュニケーション研究』第94号、2019年、“The voiceful voiceless: Rethinking the inclusion of the public voice in radio interview programs in Occupied Japan.”(2019). Historical Journal of Film, Radio and Television 39(3)など。

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在庫あり

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