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カント 未成熟な人間のための思想

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A5判/上製/292頁
初版年月日:2019/09/30
ISBN:978-4-7664-2627-4
(4-7664-2627-4)
Cコード:C3010
定価 4,950円(本体 4,500円)

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カント 未成熟な人間のための思想
想像力の哲学
書評 目次 著者略歴



●令和2年度日本倫理学会和辻賞(著作部門)を受賞しました。



▼啓蒙されるべき未成熟な理性は、いかにして自らを啓蒙するのか?
▼カント哲学がはらむ〈啓蒙のジレンマ〉を〈想像力〉を読み解くことで解決しようとする意欲作。

本書の目的は、これまで看過されてきた想像力(Einbildungskraft)の理論をその全体像において示し、カントのテクストにそくして「啓蒙の循環」という問題に対する方策を提示することにある。中間的な存在者としての人間の、やはり中間的な能力としての想像力に照明をあてることによって、カントの批判哲学を本来のダイナミズムにおいて提示しようとする試みである。

『判断力批判』のきわめて難解な、しかし豊かな記述には、完全な理性的存在者の王国でもなければ、不完全な感性的存在者の結合でもない、その中間としての文化的共同体の可能性が潜在している。それは理性と感性だけでなく、想像力と感情をそなえた人間が歴史的に創造する人工物であり、啓蒙の拠点である。


書評

図書新聞 第3435号(2020年2月15日号)4面に書評が掲載されました。評者は竹山重光氏(和歌山県立医科大学准教授)です。

目次

序論

 第T部 想像力と理論理性
第1章 綜合とは何か――「世界」の秩序をつくる
 1・1 超越論的演繹の構造
 1・2 覚知と再生の綜合
 1・3 再認の綜合

第2章 想像力と自己意識――「わたし」の意識をつくる
 2・1 批判哲学における「わたし」
 2・2 綜合と自己意識
 2・3 「行為するわたし」へ

 第U部 想像力と実践理性
第3章 自律の構想――実践哲学の目指すもの
 3・1 実践哲学の全体像
 3・2 『基礎づけ』 ……

著者略歴 著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。

永守 伸年(ながもり のぶとし)
1984年生まれ。京都市立芸術大学美術学部講師。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は18世紀ヨーロッパ哲学のほか、信頼研究、障害学、現代倫理学など。著書に『モラルサイコロジー――心と行動から探る倫理学』(共著、春秋社、2016)、『信頼を考える――リヴァイアサンから人工知能まで』(共著、勁草書房、2018)、『メタ倫理学の最前線』(共著、勁草書房、2019)。

定価4,950円 (本体:4,500円)
在庫あり

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