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「難民」をどう捉えるか

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A5判/上製/408頁
初版年月日:2019/10/30
ISBN:978-4-7664-2607-6
(4-7664-2607-X)
Cコード:C3031
定価 4,950円(本体 4,500円)
「難民」をどう捉えるか
難民・強制移動研究の理論と方法
小泉 康一 編著
目次 著者略歴

▼人類は常に〈移動〉を強いられてきた
現在、<国境>で互いを隔てる国民国家システムは、グローバル化によって加速する<人の移動>に対処できず、国際機関による「恒久的解決」も妥当性を失っている。
私たちの知性と行動力は、客観性と真正性、そして倫理性を保持しつつ、変容する<避難>の姿と向き合えるだろうか。
世界は今、国家、国境、移住、ネットワークについて、新しい思考法を獲得するよう迫られている。

▼合意と協力を支える知的プラットフォームをめざして
本書は、難民・強制移動をめぐって現代社会で急速に高まる知的要請に応え、その研究領域、主要論点、分析視角・方法を学際的・国際的な視野から整理、基本文献から最新の研究事例までを包括的に紹介する。
そして、研究者・学生、政策担当者、自治体職員、NPO/NGO関係者、国際機関職員、メディア関係者など、各分野の人々が協働するための知的共通基盤を提供することをめざしている。

目次

はしがき

序 章 難民・強制移動研究とは何か――分野と現状(小泉康一)
 はじめに
 1 現代世界の逃亡と庇護
 2 強制移動を形成する主要なテーマ
 おわりに

 第T部 難民・強制移動研究を捉える視座と分析枠組み
第1章 難民・強制移動研究の理論と方法(小泉康一)
 はじめに
 1 研究の目的と範囲
 2 用語・概念と分類
 3 学際的な中範囲の理論をめざして
 4 学際研究――さまざまな学問分野からのアプローチ
 5 研究の方法
 6 研究と倫理
 おわ ……

著者略歴 著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。

(※[ ]内は、執筆章)
【編著者】
小泉 康一(こいずみ こういち)[はしがき、序章、第1章、第12章]
大東文化大学名誉教授
 1973年東京外国語大学卒業、1977年同大学院修士課程修了。その後、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)タイ駐在プログラム・オフィサー、英オックスフォード大学難民研究所客員研究員、スイス・ジュネーヴ大学国際関係高等研究所客員研究員、大東文化大学国際関係学部教授などを経て、同大学名誉教授。
 主要業績に『変貌する「難民」と崩壊する国際人道制度:21世紀における難民・強制移動研究の分析枠組み』(ナカニシヤ出版、2018年)、『グローバル・イシュー:都市難民』(ナカニシヤ出版、2017年)、『多文化「共創」社会入門:移民・難民とともに暮らし、互いに学ぶ社会へ』(共編著、慶應義塾大学出版会、2016年)、Urban Refugees: Challenges in Protection, Services and Policy (共編著、Routledge、2015)、『グローバル時代の難民』(ナカニシヤ出版、2015年)、『国際強制移動とグローバル・ガバナンス』(御茶の水書房、2013年)、『グローバリゼーションと国際強制移動』(勁草書房、2009年)、『国際強制移動の政治社会学』(勁草書房、2005年)、『「難民」とは何か』(三一書房、1998年)など。

【執筆者】
上野 友也(かみの ともや)[第2章]
岐阜大学教育学部准教授
1999年東北大学法学部卒業、2001年東北大学法学研究科博士課程前期修了、2007年東北大学法学研究科博士課程後期修了。2007年日本学術振興会特別研究員(PD)、2010年阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター研究員、2012年より現職。
主要業績に、『日本外交の論点』(共編著、法律文化社、2018年)。『はじめての政治学(第2版)』(共著、法律文化社、2017年)。『戦争と人道支援――戦争の被災をめぐる人道の政治』(東北大学出版会、2012年など。)

錦田 愛子(にしきだ あいこ)[第3章]
慶應義塾大学法学部准教授
1999年東京大学法学部卒業、2001年同大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。2007年総合研究大学院大学博士課程修了。ヨルダン大学戦略研究所客員研究員、早稲田大学イスラーム地域研究機構研究助手、ロンドン大学東洋・アフリカ研究学院客員研究員、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所非常勤研究員・助教・准教授などを経て、2019年より現職。
主要業績に、『なぜ中東から移民/難民が生まれるのか――シリア・イラク・パレスチナ難民をめぐる移動の変容と意識』(『移民・ディアスポラ研究』6号、2017年)、「北欧をめざすアラブ系「移民/難民」――再難民化する人びとの意識と移動モデル」(『広島平和研究』4号、2017年)、『移民/難民のシティズンシップ』(編著、有信堂高文社、2016年)など。

浜本 篤史(はまもと あつし)[第4章]
東洋大学社会学部教授
2005年東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、名古屋市立大学大学院人間文化研究科専任講師、准教授を経て2018年より現職。
主要業績に、『発電ダムが建設された時代――聞き書き御母衣ダムの記憶』(新泉社、2014年)、『開発社会学を学ぶための60冊――援助と発展を根本から考えよう』(共編著、明石書店、2015年)、「戦後日本におけるダム事業の社会的影響モデル:被害構造論からの応用」『環境社会学研究』(2015年)など。

中村 文子(なかむら あやこ)[第5章]
山形大学人文社会科学部准教授
2009年東北大学大学院博士後期課程修了。東北大学学際科学フロンティア研究所助教 兼 東北大学グローバルCOE「グローバル時代の男女共同参画と多文化共生」研究員、米国スタンフォード大学Law School、Human Rights Center客員研究員などを経て、2017年より現職。
主要業績に、「日本における人身取引と人権」(佐藤史郎他編『日本外交の論点』法律文化社、2018年)、「犯罪のグローバル化――ヨーロッパにおける人身取引の事例から」(石井香世子編『国際社会学・入門』ナカニシヤ出版、2017年)、「国際機関とジェンダー・センシティヴなリージョナル・ガヴァナンス――大メコン川流域地区における人身売買対策とUNIAPを事例として」(『国連研究』第16号、2015年)、“Human trafficking in East Asia: Trends and counter-measures,”(Benny Teh Cheng Guan(ed.), Globalization, Development and Security in Asia: The WSPC Reference on Trade, Investment, Environmental Policy and Economic Integration, World Scientific, 2014),“Regional governance against trafficking in persons: European strategies towards the implementation of global norms,”(GEMC Journal, No.4, 2011)など。

池田 丈佑(いけだ じゅうすけ)[第6章]
富山大学人間発達科学部准教授
2008年大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程修了。東北大学、立命館大学、大阪大学でそれぞれフェローとして勤務の後、オランダ・ライデン大学人文学部地域研究所客員研究員、インド・O. P. ジンダルグローバル大学国際関係学部助教・准教授を経て、2014年より現職。
主要業績に、Critical International Relations Theory in East Asia(Kosuke Shimizu編、分担執筆、Routledge 2019)、『日本外交の論点』(佐藤史郎・川名晋史・上野友也・齊藤孝祐編、分担執筆、法律文化社、2018年)、Asia International Relations(Pinar Bilgin and L. H. M. Ling編、分担執筆、Routledge 2017)、『多文化「共創」社会入門』(小泉康一・川村千鶴子編、分担執筆、慶應義塾大学出版会、2016年)、『難民・強制移動研究のフロンティア』(共編著、現代人文社、2014年)

佐藤 滋之(さとう しげゆき)[第7章]
元国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)エチオピア事務所首席保護官
1994年東京学芸大学教育学部卒業、インド・デリー大学留学後、ブリストル大学大学院政治学科修了。1997年より国際赤十字赤新月社連盟に勤務、自然災害などによる避難民支援に従事。2002年より国連難民高等弁務官事務所に勤務、ケニア、リベリア、パキスタン、フィリピン、タンザニア、スーダン、エチオピアの各地で難民・国内避難民保護業務に従事。早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程に在籍中。
主要業績に、「難民キャンプ収容政策の推移と転換――その背景とUNHCRの役割」(『国連研究』19号、2018年)、『難民を知るための基礎知識――政治と人道の葛藤を越えて』第5部執筆担当(山田満・滝澤三郎編、明石書店、2017年)、「難民の労働の権利に関する研究ノート――ケニアの事例により」(News letter 45号、雇用構築学研究所、2015年)など。

新垣 修(あらかき おさむ)[第8章]
国際基督教大学教養学部教授
明治学院大学大学院法学研究科修士課程修了、カナダ・トロント大学大学院政治学研究科修士課程修了、ニュージーランドヴィクトリア大学大学院博士課程修了、Ph.D.。国連難民高等弁務官事務所法務官補、国際協力事業団(現・国際協力機構)ジュニア専門員、ハーバード大学客員フェロー、東京大学客員准教授、広島市立大学教授などを経て現職。
主要業績に、Refugee Law and Practice in Japan (Ashgate, 2008),“Non-state Actors and UNHCR’s Supervisory Role in International Relations”(James C. Simeon ed., The UNHCR and the Supervision of International Refugee Law, Cambridge University Press, 2013), Statelessness Conventions and Japanese Laws: Convergence and Divergence (UNHCR Representation in Japan, 2015)など。

杉木 明子(すぎき あきこ)[第9章]
慶應義塾大学法学部教授
2002年英国エセックス大学大学院博士課程修了、政治学博士(Ph.D.)。2003年神戸学院大学法学部専任講師、2004年同助教、2007年同准教授、2013年同教授を経て、2018年より現職。2010年〜2012年、カナダ・ヨーク大学難民研究所客員研究員。
主要業績に、『国際的難民保護と負担分担――新たな難民政策の可能性を求めて』(法律文化社、2018年)、「ケニアにおける難民の『安全保障化』をめぐるパラドクス」(『国際政治』第190号、2018年)、『国際関係のなかの子どもたち』(共著、晃洋書房、2015年)、『難民・強制移動研究のフロンティア』(共編著、現代人文社、2014年)、『アフリカと世界』(共著、晃洋書房、2012年)など。

森谷 康文(もりたに やすふみ)[第10章]
北海道教育大学教育学部准教授
1989年日本福祉大学社会福祉学部卒業、愛媛医療生活協同組合 新居浜協立病院で医療ソーシャルワーカーとして勤務した後、シドニー大学大学院修士課程(sociology, social work and social policy)にて、移民のメンタルヘルスについて学ぶ。2001年同課程修了(M.A.)、オーストラリア滞在中に障害者デイサービス施設にてコミュニティワーカーとして勤務、2002年帰国後、特定NPO法人難民支援協会の顧問として難民の生活支援に携わり助言を行ってきた。2007年より現職。
主要業績に、「難民の定住と心的トラウマの影響」(小泉康一・川村千鶴子編著『多文化「共創」社会入門――移民・難民とともに暮らし、互いに学ぶ社会へ』慶應義塾大学出版会、2016年)、「オーストラリアの難民定住支援施策における新自由主義の影響に関する一考察」(『移民政策研究』第8号、2016年)、「難民の健康問題――健康の社会的決定要因の視座から」(墓田桂等編著『難民・強制移動研究のフロンティア』現代人文社、2014年)など。

藤巻 秀樹(ふじまき ひでき)[第11章]
北海道教育大学教育学部教授
1979年東京大学文学部仏文科卒業、同年日本経済新聞社入社。大阪経済部、同社会部、パリ支局長、国際部次長などを経て編集委員。専門は移民政策・多文化共生論。愛知県豊田市保見団地、東京・新大久保などの外国人集住地域に住み込み取材をして長期連載企画を執筆した。2014年より現職。
主要業績に、『開かれた移民社会へ』(共編著、藤原書店、2019年)、「パリ同時多発テロとフランスの移民問題」(『日仏政治研究』第10号、2016年)、「日本の移民・難民政策」(小泉康一・川村千鶴子編著『多文化「共創」社会入門――移民・難民とともに暮らし、互いに学ぶ社会へ』慶應義塾大学出版会、2016年)、「日韓・日中関係悪化と在日韓国・中国人」(『移民政策研究』第7号、2015年)、『「移民列島」ニッポン――多文化共生社会に生きる』(藤原書店、2012年)など。

堀江 正伸(ほりえ まさのぶ)[第13章]
武庫川女子大学文学部教授
1992年慶應義塾大学卒業、2005年日本福祉大学大学院修士課程修了、2016年早稲田大学大学院博士後期課程修了。1992年大林組入社、2005年より国連世界食糧計画プログラム・オフィサーとしてインドネシア、スーダン、フィリピン、イエメン、アフガニスタンにて勤務、2017年より現職。
主要業績に、『人道支援は誰のためか――スーダン・ダルフールの国内避難民社会に見る人道支援政策と実践の交差』(晃洋書房、2018年)、「国際機関の人道支援」「SDGsが目指す持続可能な社会」(山田満編『新しい国際協力論』明石書店、2018年)、「国内避難民救援機関とは何か」他(滝澤三郎、山田満編『難民を知るための基礎知識』明石書店、2017年)、「価値観外交と人道支援の軋み」(『人道研究ジャーナル』第5号、2016年)など。

伊藤 寛了(いとう ひろあき)[第14章]
帝京大学経済学部専任講師
2001年東京外国語大学卒業、2010年同大学院博士後期課程修了。その間、トルコ共和国アンカラ大学(学部)、ボアズィチ大学アタテュルク研究所(大学院)に留学。在トルコ日本国大使館専門調査員、公益財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部などを経て、2019年より現職。
主要業績に、「日本における難民受け入れと定住支援の歩み」(『国連ジャーナル』春号、2019年)、「第三国定住によるミャンマー難民の受け入れとは?」(滝澤三郎編『世界の難民をたすける30の方法』合同出版、2018年)、「ポスト・アタテュルク時代のイスラム派知識人」(新井政美編『イスラムと近代化――共和国トルコの苦闘』講談社選書メチェ、2013年)、「イノニュの時代のトルコにおけるラーイクリキ議論の展開」(粕谷元編『トルコ共和国とラーイクリキ』上智大学イスラーム地域研究機構、2011年)、「近年のトルコにおける世俗派とイスラーム派との対立とトルコ民族主義の高揚」(『イスラム世界』72号、2009年)、「オスマン帝国末期におけるズィヤー・ギョカルプのナショナリズムとイスラーム改革思想」(『イスラム世界』65号、2005年)など。

宮塚 寿美子(みやつか すみこ)[第15章]
國學院大學栃木短期大學兼任講師
2003年立命館大学文学部卒業、2009年韓国・明知大学大学院北韓学科博士課程修了(政治学博士、2016年)、韓国・崇実大学非常勤講師、長崎県立大学非常勤講師、宮塚コリア研究所副代表、北朝鮮人権ネットワーク顧問などを経て、2014年より現職。北朝鮮による拉致被害者家族・特定失踪者家族たちと講演も経験しながら、朝鮮半島情勢をメディアでも解説。
主要業績に、『朝鮮よいとこ一度はおいで!――グッズが語る北朝鮮の現実』(宮塚利雄との共著、風土デザイン研究所、2018年)、『こんなに違う! 世界の国語教科書』(二宮皓監修、メディアファクトリー新書、2010年)、『北朝鮮・驚愕の教科書』(宮塚利雄との共著、文春新書、2007年)、「北朝鮮労働者輸出の全貌――「派遣」から「脱北」」(『海外事情』第65巻、2017年)、「日本における北朝鮮難民(脱北者)の実態」(『難民研究ジャーナル』第5号、2015年)など。

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