十字架のキリスト、聖女の法悦、修道士のワイン 中世哲学における「感じること」に注目し、中世とは何だったのかを知る刺激的な入門書
▼キリスト教を背景とした、キリスト教の内部の思想である「中世哲学=スコラ哲学」を、「感覚」の次元でとらえる。
▼ワインの生産、肉食やパン食の普及など、市民生活に根差した文化や習慣の観点からスコラ哲学を考察することで、西洋中世の生き生きとした側面を明らかにする。
▼中世であれ現代であれ、東洋であれ西洋であれ、すべてのひとに共通する普遍性の次元である「五感」。味覚、触覚などの身近な感覚をとおして、「感じる」スコラ哲学をかんがえる、画期的な中世哲学入門書。

みすず no.656(2017年1-2月号)の「2016年読書アンケート」にて、田中純氏(思想史)からコメントをいただきました。
山形新聞 2016年10月30日読書面(7面)に書評が掲載されました。評者は、滝口克典氏(ぷらっとほーむ共同代表)です。
朝日新聞 2016年7月7日の読書面(12面)に書評が掲載されました。評者は杉田敦(政治学者・法政大学教授)氏です。

前書き ―― スコラ哲学の感覚
T 中世の五感 第一章 中世における「感じる」こと 第二章 霊的感覚と味覚 第三章 ワインの中の中世神学 第四章 神に酔う神学
U ハビトゥスから神秘主義へ 第五章 ハビトゥスの形而上学 第六章 享受の神学的背景 第七章 神秘主義という感覚
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著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
山内志朗(Shiro Yamauchi) 1957年生まれ。慶應義塾大学文学部教授。東京大学大学院博士課程単位取得退学。新潟大学人文学部教授を経て現在に至る。著書に、『普遍論争 ―― 近代の源泉としての』(平凡社ライブラリー)、『天使の記号学』(岩波書店)、『「誤読」の哲学 ―― ドゥルーズ、フーコーから中世哲学へ』(青土社)、『小さな倫理学入門』(慶應義塾大学出版会)など多数。
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