No.1296(2025年2月号)
特集
No.1296(2025年2月号)
特集
三田評論
2025年2月号表紙
特集は「大統領選とアメリカのゆくえ」。関心事のホットトピックに、五名の専門家の座談会と関連記事が六編。私の読後感は、共和党のドナルド・トランプが圧勝したというよりも、民主党が自壊した。本来「中道改革派」であった民主党が「守旧派」になったとさえ批判されている。世界的な潮流である「中道は支持されない」傾向がアメリカでも顕著になった。両極に振れるこの国は、社会の分断が進み、安定性を欠いていく。トランプの意表を突く発言・行動の影響は、国内よりも対外関係に大きい。各国の政府、国際機関、企業、すべてが振り回されるだろう。「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」に潜む危険性を指摘した鈴木透氏の記事に目が覚め、大林啓吾氏の記事は、「前回大統領選挙結果を認めず、議事堂襲撃事件に関与したと疑われ、裁判にかけられている人物が今回の大統領選挙になぜ立候補できたのか」という私の素朴な疑問に答えてくれた。
(田中俊郎)
昨秋の米大統領選でトランプ氏が勝利、大統領に返り咲きました。1月20日に就任以降、矢継ぎ早に大統領令を出し、その高官人事の奇抜さとともに世界を少なからず驚かせています。何が、トランプ再選を導いたのか? またこれからどのような政策運営がなされるのか。可能性とともに波乱を含んだこれからの4年間を展望するのに最適な特集です。
堀井良教さん
総本家「更科堀井」代表取締役社長、九代目当主
インタビュアー:奈良雅俊(慶應義塾大学文学部教授、大学院文学研究科委員長)
創業が寛政元(1789)年となる、麻布十番の「更科堀井」。一度は廃業となったお店を父親とともに復活させ、江戸の更科蕎麦の味をよみがえらせた功績により、堀井さんはこのたび「現代の名工」に選ばれました。2月3日の福澤先生ご命日には昼食に立ち寄る慶應関係者も多い、「更科堀井」を築き上げるまでの努力と先進的な考え方が窺えるインタビューです。
尾﨑野乃香君
パリ2024オリンピック 女子レスリング68kg級銅メダル・環境情報学部4年
聞き手:山内慶太(慶應義塾常任理事[体育会担当])
母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。