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目次
日本帝国の崩壊
A5判/上製/488頁
初版年月日:2017/07/15
ISBN:
978-4-7664-2430-0
 
(4-7664-2430-1)
Cコード:C3021
税込価格:7,040円
日本帝国の崩壊
――人の移動と地域社会の変動

目次

 はしがき

序章 1940年代日本帝国崩壊期をどう見るか
    ――研究動向と本書の視角   柳沢 遊
 第1節 地域社会と人的移動から見る1940年代日本帝国
  1 本国と勢力圏の双方から見た日本帝国の動態
  2 「生存の危機」に直面した1940年代「銃後」社会
 第2節 「1940年代」認識の変遷
  1 高度成長期から1970年代までの1940年代史研究
  2 戦争経験の学問的形象化――1990年代以降
  3 日本帝国圏・占領地の地域社会把握
 第3節 戦時日本経済史研究からの接近
  1 「総力戦体制論」の流行と個別実証研究からの反論
  2 戦後変革の画期性と遺産の継承について
  3 戦時から戦後への転換過程の研究動向
 第4節 「アジアのなかの戦争」史研究の展開
 第5節 政治史・民衆史研究からの問題提起
 第6節 本書の企図

  〈第1部 人の移動〉

第1章 戦時下における在日朝鮮人政策と位置づけの変容   木村健二
 はじめに
 第1節 協和会体制確立過程における朝鮮人の位置づけ
  1 朝鮮人労働者の移動・稼働
  2 生活・教育問題等
  3 思想政治動向及び時局認識
 第2節 協和会体制下における朝鮮人対策
  1 協和会体制の構築
  2 協和会の組織
  3 協和会の活動
 第3節 大戦末期の朝鮮人労働者観
 おわりに

第2章 日本中小工場の満洲移植と「満洲国」現地経済
     ――奉天市を事例として   張 暁紅
 はじめに
 第1節 満州の下請工場不足と日本中小工場の満州移植政策の策定
  1 下請工場としての中小工場不足
  2 満州国立地の親工場の要望と満州国の助成方針
  3 日本中小工場満州移植暫行対策の公布
 第2節 1941年度までの移植と奉天経済
  1 一回目(1939年度)の移植
  2 二回目(1940年度)と三回目(1941年度)の移植
  3 奉天市の生産資材不足問題
 第3節 1942年度以降の奉天経済と満州移植
  1 奉天市での資源回収と代用品工業の推進
  2 四回目(1942年度)の移植と五回目(1943年度)の計画
 おわりに

第3章 アジア・太平洋戦争期の満蒙開拓団
     ――母村と現地(1942−45年)  細谷 亨
 はじめに
 第1節 アジア・太平洋戦争期の満州移民政策と府県の対応
 第2節 開拓団送出をめぐる地域の動向
  1 低迷する送出状況
  2 入植地の決定過程
  3 強まる送出圧力
 第3節 アジア・太平洋戦争期の開拓団
  1 入植当初の開拓団
  2 開拓団と食糧増産
  3 開拓団と母村
 おわりに

第4章 戦時期日本の占領地域における「学術調査」
     ――1942年山西学術調査研究団を中心に   前田廉孝
 はじめに
 第1節 山西省の埋蔵資源に対する期待
  1 乙嘱託班と満鉄調査部による調査
  2 大同炭鉱の経営悪化
  3 山西学術調査研究団の派遣依頼
 第2節 山西学術調査研究団による調査の実施
  1 調査計画の立案・決定
  2 調査の実施
 第3節 山西学術調査研究団の調査結果
  1 地質鉱物・地理学班
  2 動物・植物・人類先史学班
  3 調査結果の公表
  4 山西学術調査研究の不十分性と抗日勢力の存在
  おわりに

第5章 戦争に翻弄された南方移民
     ――「帝国」の解体の背後で   倉沢愛子
 はじめに
 第1節 「大東亜」戦争と蘭領東インドの日本移民
  1 蘭印の日本人移民
  2 緊張の高まりと邦人引き揚げ
  3 開戦と邦人のオーストラリア抑留
  4 「復帰邦人」――占領下の経済を支えた人々
 第2節 戦争に翻弄されたあるボルネオ入植者の家族史
  1 西ボルネオ・ガンディス村への入植
  2 ガンディス村での事業展開
  3 開戦・逮捕そしてオーストラリアへ
  4 捕虜交換で再びインドネシアへ
  5 終戦そして強制的な引き揚げ
 おわりに

  〈第2部 地域社会の変動〉

第6章 温泉経営の展開と市町村合併
     ――愛媛県道後温泉を事例に   高柳友彦
 はじめに
 第1節 日中戦争前後の道後温泉
  1 1930年代初頭の温泉経営の展開
  2 温泉経営の模索と県行政による市町村合併の斡旋
 第2節 日中戦争と行財政運営
  1 町村合併の動向と療養所建設
  2 療養所の実態と施設拡張
 第3節 1930年代末期から太平洋戦争期の道後温泉
  1 利用客数の増加と源泉開発
  2 町村合併問題の展開
  3 戦時体制の進展と温泉経営
 おわりに

第7章 敗戦直後の労働運動
     ――東芝第三次闘争の分析から   佐々木啓
 はじめに
 第1節 第三次闘争の前提
  1 東芝労働者の戦争体験
  2 敗戦直後の東芝労働者
 第2節 闘争の開始と運動の論理
  1 戦時補償打ち切りと闘争のはじまり
  2 ウォルター事件
  3 闘争の論理
  4 生活安定本部の活動
 第3節 闘争の転回
  1 中労委斡旋と了海の辞任
  2 交渉の再開
  3 アーバン事件
 第4節 闘争の終結
  1 マダムの家事件から交渉妥結へ
  2 女子労働者の意識動向
 おわりに

第8章 戦時期における朝鮮社会の動向と朝鮮実業倶楽部   金 明洙
 はじめに
 第1節 日中戦争期における朝鮮財界の要求
 第2節 遊休資金の吸収と低調な証券投資
 第3節 物資愛護・消費節約・配給問題
 第4節 アジア・太平洋戦争末期におけるインフレ対策
 おわりに

第9章 戦時体制下の大連工業   柳沢 遊
 はじめに
 第1節 日中戦争期までの大連工業展開史
  1 大連市企業の位置と変化
  2 「満州国」期の大連商工業――工業都市前史
 第2節 日中戦争期の関東州工業――転換点としての1939年
  1 日中戦争と大連産業界――食料品工業の発展
  2 日中戦争期の重化学工業
  3 低迷した産業
  4 大連産業界の自己認識
  5 重点主義に基づく重要産業育成
 第3節 アジア・太平洋戦争期の大連工業
  1 世界大戦勃発後の大連産業界の組織化
  2 大連産業インフラの整備と工業発展の到達点
  3 タイムラグを伴った経済統制
  4 生活必需品工業の発展
  5 重化学工業の現状と生産増強政策
  6 戦力増強政策の展開
  7 関東州の労務動員――その限界の露呈
 おわりに――1944年後半期の経済破綻

第10章 鉄道附属地の「地域化」と満鉄日本人社員の「外部効果」   平山 勉
 はじめに
 第1節 地方連合会と連載「連合会地方色」
  1 満鉄社員会の本部と地方連合会
  2 『協和』とその編集方針
  3 連載「連合会地方色」
 第2節 満鉄日本人社員から見た「地域社会」
  1 つながらない歴史
  2 満鉄による「近代化」――つながる歴史
  3 在来社会との断絶
  4 日本人社会への冷めた思い
 おわりに

第11章 「満洲国」後期における石炭増産政策   山本 裕
 はじめに
 第1節 満州国「統制外炭鉱」をめぐる政策構想の推移
  1 統制外炭鉱の定義と出炭量
  2 統制外炭鉱の立地状況
  3 統制炭鉱と統制外炭鉱――貯炭率と価格動向
  4 統制外炭の地域別販売動向
  5 統制外炭の「統制」推移
  6 統制外炭政策に関する、省別の政策相違点
  7 満州国末期における中小炭鉱統制方策
 第2節 満州国末期における石炭増産政策
      ――価格改定政策を中心に
  1 1942−1943年度の出炭実積
  2 満州国末期の炭価改定動向(1)
    ――1944年4月炭価改定の特徴
  3 満州国最末期における各炭鉱の生産原価・生産原価率動向
  4 満州国末期の炭価改定動向(2)
    ――1945年6月炭価改定の特徴
 おわりに

第12章 第二次世界大戦期のインドシナをめぐるフランス人と日本人
      ――日常における支配と占領   難波ちづる
 はじめに
 第1節 フランス人と日本人の競合と共存
 第2節 日本人とベトナム人の「接触」
 第3節 フランス人と現地住民の「接近」
 おわりに

第13章 戦時期ジャワの隣組・アザ常会制度   倉沢愛子
 はじめに
 第1節 隣組導入の背景――村落社会の重要性の増大
 第2節 隣組の目的と機能
 第3節 隣組の設立経緯
  1 普及と振興
  2 アザ長・隣組長の資質
 第4節 隣組活動の実態
  1 隣組常会における情報伝達――隣組の機能@
  2 治安維持・防空・防火・防諜――隣組の機能A
  3 防火作業と防空壕掘り――隣組の機能B
  4 食糧の増産・集荷・配給――隣組の機能C
 おわりに――日本軍政終了後の地域組織
  1 スハルト体制の特色
  2 体制を支えるメカニズム

あとがき
索引
執筆者紹介
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