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目次
東日本大震災と特別支援教育
A5判/並製/244頁
初版年月日:2016/03/31
ISBN:
978-4-7664-2323-5
 
(4-7664-2323-2)
Cコード:C0036
税込価格:3,300円
東日本大震災と特別支援教育
共生社会にむけた防災教育を

目次

 はじめに

序 章 震災によって浮き彫りになった4つの脆弱性   田中真理
  1 「障害」による被災の格差と特別支援教育
  2 震災によって浮き彫りとなった脆弱性とは
  3 特別支援教育理念は震災対応にどう活かされたか

 第一部 震災が「特別支援教育」に問うたもの

第1章 震災によって顕わになった特別支援教育の課題
 第1節 避難所運営における特別支援学級児童への配慮   菊地秀敏
  1 高砂小学校特別支援学級と高砂小学校の避難所運営について
  2 衛生面への配慮
 第2節 重い障害をもつ子どもの保護者の調査と手記から   川住隆一
  1 保護者への聞き取り調査の実施
  2 聞き取り調査結果の概要
  3 保護者から寄せられた手記(事例1〜5)
  4 保護者の声を受けて

第2章 重度・重複障害児・者の被災と、防災への提言   菅井裕行
  1 重複障害児・者が直面した生命危機
  2 子どもたちにみられた変化
  3 震災発生時の特別支援教育教師と子ども
  4 避難所となった学校への大学生の支援
  5 学校再開とその後の子どもたち
  6 被災者であり支援者であった教職員の状態
  7 提言:重複障害児・者の防災

第3章 震災が子どもたちに及ぼした心理的影響   梅田真理
  1 災害が子どもたちに及ぼした影響について
  2 「時間」の経過に伴って
  3 「失ったもの」との別れ
  4 子どもたちに対するストレスマネジメント

第4章 環境整備と防災教育への提言   安田まき子
  1 調査について
  2 調査からみえてきた状況と課題
  3 緊急時の支援として参考となる事例
  4 新たな防災教育の取組み事例
  5 まとめ

 第二部 震災が「障害」を襲ったとき
 障害のある子どもたちと家族や教師が直面したこと

第5章 避難所運営を通してみえた学校の役割
―― 特別支援学校教師の立場から   片岡明恵
  1 重度・重複障害 狩野悟君の「生きたい」と思い続けた命
  ―― 医療器具が使えず命をおとす
  2 学校の避難所運営を通してみえたこと
  3 「災害弱者」は誰だったのか
  4 震災後にみられた子どもたちの特徴的な姿(障害種別)
  5 特別支援学校教職員に求められること
  6 震災をきっかけに変わった保護者の考え
  7 特別支援学校をどう位置づけるのか

第6章 震災に学ぶ今後の危機管理支援
―― 特別支援学校の校長の立場から   櫻田 博
  1 石巻支援学校の対応
  2 石巻支援学校の課題
  3 今後の危機管理の視点

第7章 特別支援教育は避難生活の「公平性」とどう向き合ったか
 第1節 福島県災害対策本部の業務経験から    佐藤 登
  1 県災害対策本部業務からみえた現状と課題
  2 障害のある児童生徒の避難の現状と課題
  ―― 保護者アンケートからみえたもの
  3 災害発生時の特別支援学校の地域での役割
 第2節 避難所となった特別支援学校の経験から   佐藤 智
  1 避難所における公平性について
  2 避難所開設と運営
  3 避難所支援における公平性、特性への配慮
  4 学校再開にむけた支援体制の変化と自治組織への移行

第8章 特別支援教育教師が体験した不均衡なリスク
―― 福島の障害者の震災被災と避難の調査から   中村雅彦
  1 地震発生時の教師の対応
  2 自助・共助・公助を生み出すための教育をどのように発信したのか
  3 障害者の死亡率から読み取るものとは

第9章 震災を通して「双方向の支援」を考える   熊本葉一
  1 ふたつの事例からみえてきたもの
  ―― 被災した自閉症児・者の報告から
  2 支援とは何か――支援する側とされる側の関係
  3 これからの特別支援教育が担うもの
  ―― インクルーシブ教育は共生の教育でなくてはならない

座談会 「障害」から問う3つの課題
―― 共生社会、防災教育、教育復興ニーズ
櫻田 博・野澤令照・熊本葉一・田中真理・菅井裕行・川住隆一

 おわりに
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