ワルラスの経済思想
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本書は、理論的な分析から規範的な分析に至るまでさまざまな要素を織り込んだワルラスの研究が実は驚くべき思想的統一性をもち、彼の主要著作である『純粋経済学要論』に見事に結実していることを明らかにしようとするもので、著者が「序論」でジャッフェ的な、ある意味で控えめな方法論を採用しているといっているにもかかわらず、その試みはかえって新鮮で野心的なものとなっている。著者の方法論はジャッフェのそれであり、ワルラスを理解し、「彼が本当にいいたかったこと」を再現しようとするものであり、ワルラスほどの著者の研究の本質を統一的に理解しようという意味では、決して控えめとはいえないだろう。とはいえ、その野心的な試みが大きな成功を収めたということは、本書を丹念に読まれることで容易に理解できるかもしれない。・・・「訳者序文」より
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