三田評論

明治31年から続く慶應義塾の機関誌

No.1229(2019年1月号)

新春対談

伝統と革新を備えた学塾を目指して

三田評論

─ 表紙絵:鎮目守治 ─

税込価格:451円(本体410円)在庫あり

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寸描2019年1月号表紙について

三田評論1月号

三田評論
2019年1月号表紙

「文系」一色の新春号である。巻頭の「丘の上」からして「新訳 星の王子さま」(島原健三)、「釈宗演」(長谷部八朗)。恒例の「新春対談」で塾長のお相手は、観世流能楽師の坂井音重氏。ちょっと出来すぎ。そこで長谷山塾長が強調する「人間交際(じんかんこうさい)」は、期せずして本号の主要キーワードになった。文系の真骨頂みたいな思想を、皆が申し合わせたように唱和する。「日本文化における救済」(坂井音重)。「パワーの関係だけではない、人間同士の関係」(廣野美和)。「お互いに信頼し合うことが共同研究にはとても大切」(所裕子)。「協力行動が生存率を高める」(「三人閑談」川端裕人)。小論文コンテストは力作が揃った。小泉信三賞受賞作の稲垣早佑梨さん「『文学は社会の役に立つか』と問う社会を問う」は、塾長の問題提起に真っ向から答え、本号全体のいわば結論をなす。日野啓三、吉本隆明まで読み込んでの、正攻法の立論は立派。久しぶりに読む青臭い文学論。

鷲見洋一

新春対談
伝統と革新を備えた学塾を目指して

あけましておめでとうございます。平成最後の年の新春対談は、能楽師で重要文化財総合指定者の坂井音重さんと長谷山塾長によるものです。創立150年記念の薪能を三田で演じた坂井さんは、ロシア、中国をはじめ世界各国で公演を行い、国際的な文化交流を熱心に行っています。慶應義塾のグローバルな発信と重ね合わせ、未来の学塾の姿を考えるにふさわしい対談となりました。

坂井音重
能楽師・塾員
長谷山 彰
慶應義塾長

第43回 小泉信三賞全国高校生
小論文コンテスト審査結果一覧

小泉信三賞
「文学は社会の役に立つか」と問う社会を問う 稲垣早佑梨
同 次席
「家族」を拓く 鷲山拓見
同 佳作
家族と延命治療について 佐藤蘭美
同 佳作
平成最後の高校生にとって『学問のすゝめ』は有用か 早坂 章
同 佳作
現代日本における「市民」のあり方 宮下 凜
同 佳作
家族と延命治療について 佐藤蘭美
同 佳作
平成最後の高校生にとって『学問のすゝめ』は有用か 早坂 章
同 佳作
現代日本における「市民」のあり方 宮下 凜

〈選評〉小川原正道・荻野安奈・権丈善一・須田伸一・早川 浩

話題の人
「フルグラ」の売り上げを10倍に

藤原かおりさん

藤原かおりさん

カルビー執行役員  フルグラ事業本部本部長・塾員

インタビュアー:石原直子(リクルートワークス研究所人事研究センター長・塾員)

カルビーでシリアル食品「フルグラ」の担当として、その売り上げを5年間で約10倍まで伸ばした藤原さん。転職組にも拘らず、最初にカルビーで手掛けた商品が撤退となり“社内失業”状態に。そこから始まる飛躍のストーリーはドラマティックなものです。また慶應義塾時代のゼミの、いまなお続く強い「つながり」も十分語っていただきました。

三人閑談
ホモ・サピエンスの誕生

ホモ・サピエンスの誕生

われわれホモ・サピエンスに至る進化の過程はどのようなものであったのか。その道筋は科学の力によって少しづつ分かってきてはいるものの、まだまだ謎に包まれていて、推定の部分が多々あるようです。人類学の知見から現在、一体どこまで明らかになってきたのか。人類の起源を辿る旅は興味が尽きません。

川端裕人
文筆家
荻原直道
慶應義塾大学理工学部機械工学科教授
河野礼子
慶應義塾大学文学部准教授
連載
福澤諭吉をめぐる人々その31 小山完吾 小山太輝
写真に見る戦後の義塾33 日吉銀杏並木から遠く山々が見えた頃 西岡浩史
新慶應義塾豆百科32 広報誌「塾」
その他
巻頭随筆 丘の上 ────
「若き血」と人生のステージ 青山滋弥
ヒマラヤ・ゴジュンバ氷河調査行 大森弘一郎
化学研究と児童文学翻訳との間 島原健三
慶應義塾・禅・駒澤 長谷部八朗
            
演説館 ────
沖縄県知事であるということ 稲嶺惠一
執筆ノート ────
『客船の世界史──世界をつないだ外航客船クロニクル』 野間 恒
『村井邦彦のLA日記』 村井邦彦
『ただの文士 父、堀田善衞のこと』 堀田百合子
『アフター・ヨーロッパ──ポピュリズムという妖怪にどう向きあうか』 庄司克宏(監訳)
Researcher’s Eye ────
中国の国際関係を追って 廣野美和
研究したい研究者たち 所 裕子
塾員クロスロード ────
北朝鮮 そして旅はつづく 菱田雄介
三十年の歳月 大川史織
社中交歓 ────
橋本和久、水野茂生、辺見葉子、中山 純
KEIO Report ────
KMDの10年──「KMD FORUM 2018 “Journey”」の開催 稲蔭正彦
 
図書館旧館改修工事の進捗 その3 渡辺浩史
追想 ────
別役智子先生を偲んで──イルカのリーダー 副島研造
寸描(鷲見洋一)、山上広場、塾長室日誌(2018年11月)、塾内ニュース、三田会だより、慶應〝塾〟語事典、寄付・維持会申込者芳名
  • 2019年三田評論1月号
  • 2018年三田評論12月号
  • 2018年三田評論11月号
  • 2018年三田評論10月号
  • 2018年三田評論8・9月合併号
  • 2018年三田評論7月号
  • 2018年三田評論6月号
  • 2018年三田評論5月号
  • 2018年三田評論4月号
  • 2018年三田評論3月号
  • 2018年三田評論2月号
前号紹介2018年12月号 No.1228

障害と社会

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次号予告2019年2月号 No.1230

AI社会と公共空間

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慶應義塾維持会

慶應義塾維持会

母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。

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