三田評論

明治31年から続く慶應義塾の機関誌

No.1225(2018年8・9月合併号)

特集

自由貿易のゆくえ

三田評論

─ 表紙絵:鎮目守治 ─

税込価格:451円(本体410円)在庫あり

定期購読:4,700円(税・送料込)

在庫について

配送料について

定期購読の申込み

寸描2018年8・9月合併号について

三田評論8・9月合併号

三田評論
2018年8・9月合併号表紙

特集は「自由貿易のゆくえ」。均衡ないしバランスというタームは、経済学にとってきわめて重要な意味を持つ。経済学を理解することは、ある立場からすれば、この言葉の意味を体得するということなのかもしれない。とはいえ、現実の経済社会のなかにこの言葉の意味するところを理解しようとすると、実につかみ所のない、曖昧な言葉だということに、誰でも容易に気づくのではなかろうか。この曖昧さが、逆に経済学という学問の必要性を訴えていよう。「経済人」としての人間は、現実的には、何重にもオブラートに包まれた得体の知れないものでしかないということか。バランスのとれた経済行動など、考える余地のないほど「忙しい」のである。経済学の世界では倫理学や道徳哲学といわれる領野への関心を深めながら展開を志向してきた。そこで、こうした学問的伝統への配慮こそ現に求められてはいないか。

飯田裕康

特集自由貿易のゆくえ

公共図書館を考える

アメリカのトランプ政権による保護主義的な経済政策が世界に大きな波紋を広げています。国際社会において尊重するものと認識されていた「自由貿易」が危機にさらされているといっても過言ではありません。中国の台頭、EUの動きにも目が離せないなか、日本の立ち位置はどこにあるのか。不透明な国際経済の情勢を読み解いていく特集です。

座談会
世界は保護主義とどう向き合うのか

若杉隆平
新潟県立大学学長・理事長
藤山知彦
国立研究開発法人科学技術振興機構研究開発戦略センター上席フェロー
滝田洋一
日本経済新聞編集委員・塾員
深作喜一郎
慶應義塾大学経済学部特任教授
清田耕造
慶應義塾大学産業研究所・大学院経済学研究科教授(司会)

関連記事

トランプ大統領は本当に異質な存在なのか?
中山俊宏
慶應義塾大学総合政策学部教授
中国産業の発展戦略とボトルネック──米中貿易戦争のゆくえ
柯  隆
東京財団政策研究所主席研究員
トランプ時代におけるEUの通商政策
赤川省吾
日本経済新聞社欧州総局編集委員・塾員

話題の人
校長として自動車整備士を育てる

分部庸子さん

分部庸子さん

日産愛媛自動車大学校校長・塾員

国家資格である自動車整備士を養成する日産愛媛自動車大学校校長に就任された分部さん。日産自動車勤務時代には、女性がまだ少なかった時代に、持ち前の努力によってインド日産副社長も務められました。普段あまり意識することのない、日本のものづくりを支える自動車整備の世界について、たっぷりとお話しを伺ってきました。

三人閑談
サウナで 〝快汗〟!

サウナで 〝快汗〟!

今、サウナが若者の間で人気だそうです。「サウナー」という言葉も登場し、従来の「暑い、つらい、苦しい」というイメージを払拭する、低温で心地よいサウナの利用法が広まっています。企業に「サウナ部」まで設けられているとか! 野外で利用する「テントサウナ」もあり、この夏、サウナで「快汗」し、さっぱりした気分になってはいかがでしょうか。

織茂明彦
横須賀建物株式会社(サウナトーホー)代表取締役・塾員
原山壮太
株式会社電通第15ビジネス・プロデュース局部長・塾員
大泉寛太郎
ミズジャパン株式会社代表取締役・塾員
時の話題
文化財の保護と活用
文化財保護法改正が生む地域の役割と課題 川野裕一朗
文化財保護の現場から 石井美恵
世界遺産制度における国家戦略としての文化遺産マネジメント 岡田真弓
連載
福澤諭吉をめぐる人々その27 日原昌造 末木孝典
写真に見る戦後の義塾30 矢上キャンパス開設 徳岡直靜
義塾を訪れた外国人第27回 張公権段 瑞聡
新慶應義塾豆百科29 通信教育課程夏期スクーリング
その他
巻頭随筆 丘の上 ────夏の甲子園100回大会に寄せて
「高校野球はドラマじゃない」 青井 実
甲子園への道のり 遠藤凱孝
甲子園優勝の想い出 佐々木信也
審判員として見てきた夏の甲子園 永野元玄
ベスト8の夏 山﨑 錬
            
講演録 ────
ジャーナリズムと権力 滝鼻卓雄
執筆ノート ────
『「片頭痛」からの卒業』 坂井文彦
『ターゲテッド・キリング──標的殺害とアメリカの苦悩』 杉本 宏
『歴史は実験できるのか──自然実験が解き明かす人類史』 小坂恵理(訳)
『EVと自動運転──クルマをどう変えるか』 鶴原吉郎
『消された信仰「最後のかくれキリシタン」──長崎・生月島の人々』 広野真嗣
Researcher’s Eye ────
社会と学問 亀井源太郎
夢を持つにはまだ早い 三木則尚
塾員クロスロード ────
女子高生×企業→新文化? 山﨑 賢
指揮者として 会社員として 坂入健司郎
社中交歓 ────
湘南 伊藤陽一、中島源吾、堀川正弘、赤堀美和子
ヒサクニヒコのマンガ何でも劇場〈特別編〉
ヒサクニヒコ
KEIO Report ────
大阪シティキャンパス 開設10周年 大石 裕
            
協生環境推進室(Office for Equity, Diversity, and Inclusion)の開室に寄せて 岩波敦子
追想 ────
現代に続く労働法研究──川口實先生を偲んで 内藤 恵
西村皓名誉教授を偲んで 眞壁宏幹
太陽のような笑顔の人──鈴村直樹君を想う 岩波敦子
寸描(飯田裕康)、山上広場、塾長室日誌(平成30年6月)、塾内ニュース、三田会だより、福澤先生の漢詩、寄付・維持会申込者芳名
  • 2018年三田評論8・9月合併号
  • 2018年三田評論7月号
  • 2018年三田評論6月号
  • 2018年三田評論5月号
  • 2018年三田評論4月号
  • 2018年三田評論3月号
  • 2018年三田評論2月号
  • 2018年三田評論1月号
  • 2018年三田評論12月号
  • 2018年三田評論11月号
  • 2018年三田評論10月号
前号紹介2018年7月号 No.1224

公共図書館を考える

さらに詳しく見る

次号予告2018年10月号 No.1226

薬学部開設10周年

さらに詳しく見る

慶應義塾維持会

慶應義塾維持会

母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。

さらに詳しく見る

BOOKS慶應義塾大学関連の書籍

  • 應義塾 歴史散歩 キャンパス編
  • 慶應義塾 歴史散歩 全国編
  • 福澤諭吉 歴史散歩
  • 小泉信三エッセイ選 1 善を行うに勇なれ
  • 小泉信三エッセイ選 2 私と福澤諭吉
  • 應義塾 歴史散歩 キャンパス編
  • 慶應義塾 歴史散歩 全国編
  • 福澤諭吉 歴史散歩
  • 小泉信三エッセイ選 1 善を行うに勇なれ
  • 小泉信三エッセイ選 2 私と福澤諭吉