三田評論

明治31年から続く慶應義塾の機関誌

No.1234(2019年6月号)

特集

再生医療の未来

三田評論

─ 表紙絵:鎮目守治 ─

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三田評論6月号

三田評論
2019年6月号表紙

『三田評論』は外部に開いた総合誌なのか、義塾社中用の同窓会誌なのか。6月号の誌面は総合誌として十分に評価できる充実ぶりである。「メルケル首相、塾生と語る」はなんと18頁にも及ぶ大特集で、バランス良く選抜された学生12名の質問に首相が答える問答形式。ここで展開する多様な議論に「時の話題 揺れるイラン」の三つの視点、「米欧・ロシア・国内」の各論を加えると、瞬時に地球規模の世界展望が拓かれる。また、「寺院は高度なサービス業」という逆説(「話題の人」安永雄玄)は、そのまま今号の特集「再生医療の未来」にも響く。「自家移植」、「ゲノム編集」などの単語レヴェルでまず理解が深まり、「基礎」と「臨床」と「産業」の連携が必須という総合認識に導かれる座談会は大いに有益であった。全編息詰まるような話題沸騰の中で、「三人閑談」のラグビーは清涼剤。しかも「理不尽」についてのきわめて哲学的指摘に唸らされた。

鷲見洋一

特集再生医療の未来

再生医療の未来

慶應義塾大学でiPS細胞を用いた脊髄損傷治療の臨床研究がスタートするなど、日本の大学・研究機関で再生医療による実際の患者治療が実現に向けて次々と動き出しています。2006年の山中伸弥京大教授によるiPS細胞の発表以来、待ち望まれていた「再生医療の時代」はどこまで来ているのか。その最前線を明らかにする特集です。

座談会
動き始めた再生医療の時代

山中伸弥
京都大学iPS細胞研究所所長・教授
木村 徹
大日本住友製薬株式会社取締役常務執行役員
永山 治
中外製薬株式会社代表取締役会長、慶應義塾評議員
岡野栄之
慶應義塾大学大学院医学研究科委員長、医学部生理学教室教授
中村雅也
慶應義塾大学医学部整形外科学教室教授(司会)

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日本経済新聞社編集委員兼論説委員
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株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ代表取締役社長・塾員

話題の人
ビジネスの経験を活かして築地本願寺を改革

安永雄玄さん

安永雄玄さん

浄土真宗本願寺派築地本願寺代表役員宗務長・塾員

インタビュアー:中島隆信(慶應義塾大学商学部教授)

普段はお寺や仏教のことを意識しない、という方も多いと思います。とかくビジネスからは縁遠い世界と思われがちなお寺の世界に、第一線のビジネスマンから転身した安永さんは、宗教法人も会社と同じ「コーポレーション」という考えで次々と改革を進めています。現代人にお寺との垣根を感じさせないようにする、様々な工夫と考え方をお聞きしました。

特別記事
メルケル首相、塾生と語る

ドイツ連邦共和国首相のメルケル氏が来塾、慶應義塾大学の塾生と対話を繰り広げました。塾生の質問は、国際関係、AIと社会、女性の活躍、エネルギー政策など多岐に及び、その一つ一つに首相は丁寧に応える姿が印象的です。世界のリーダーと塾生との臨場感溢れる対話は現代社会を考える上での気づきを与えてくれると思います。

アンゲラ・メルケル(ドイツ連邦共和国首相)
訳・注 三瓶愼一(慶應義塾大学法学部教授)

三人閑談
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庭を愛でる

この秋、ラグビーワールドカップが日本で初めて開催の運びとなります。日本におけるラグビーのルーツ校と言えば慶應義塾。1985年の日本一をはじめ、日本ラグビー史を彩る数々の場面が目に焼き付いているファンも多いのではと思います。秩父宮をそして国立を疾駆するタイガージャージの姿を思い起こさせてくれる閑談です。

生島 淳
スポーツジャーナリスト。早稲田大学社会科学部卒業
金沢 篤
パナソニックBKコーチ・塾員
廣瀬俊朗
ラグビワールドカップ2019アンバサダー・塾員
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揺れるイラン
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新慶應義塾豆百科37 大型計算機からネットワークコンピューティングへ
その他
巻頭随筆 丘の上 ────
上原良司の故郷安曇野とゆかりの人々 亀岡敦子
二年目を迎えた長野県立大学 金田一真澄
三田の地で校長となって 渡邉常次
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大学人のメリットは自由度 山田浩之
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目に見える税、見えない税 村上裕太郎
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常に挑戦する意識を持つこと 岡本隆之
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三田キャンパスの屋外案内サイン設置 岩淵 聡
ヒサクニヒコのマンガ何でも劇場、寸描(鷲見洋一)、山上広場、塾長室日誌(2019年4月)、塾内ニュース、三田会だより、慶應〝塾〟語事典、寄付・維持会申込者芳名
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前号紹介2019年5月号 No.1233

『帝室論』をめぐって

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次号予告2019年7月号 No.1235

「移民社会」をどう捉えるか

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慶應義塾維持会

慶應義塾維持会

母校を思う塾員と篤志家の皆様により、義塾の教育研究活動を財政支援する目的で設立された1世紀余の歴史を有する組織です。
会員の皆様にはご加入期間『三田評論』を贈呈いたします。

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